この歳にして







 67歳の誕生日の前日、何気なく新聞の地方記事にある映画興行欄を見ていて、この映画を見に行こうと即決した。今、話題の「スター・ウオ―ズ フォースの覚醒」でもなければ「母と暮らせば」でもない。「人生の約束」という映画である。映画のシナリオもキャストも知らず、タイトルだけで扇動させられた。


 竹野内豊さん演ずるIT関連企業のCEOが、かつての親友であり共同経営者を会社から追いやってワンマン経営に走るが、その親友の死を知ることがきっかけで、人生で大切なものは何かを考えさせられるといったドラマである。


 その映画のヒロインと私はどこかで重なるものがあった。大学入試からこれまで連戦連勝の人生であり、前ばかり向いて突っ走ってきた。ありとあらゆる資格を一発で取得し、一番出世を果たし、小さいながらも事業を興せばそれなりに成功し、いわば順風満帆の人生であった。努力もしないで能書きたれるな、俺について来い、もっとアグレッシブになれ、振り返ればそれ的な言動が多かった。


 しかし最近、ときどきは立ち止まらないと後ろの風景が見えないことに気づいた。後ろの風景を見ないと、後ろでどんなことが起きてるのかを知ることができない。人と人との繋がりが大切なことも、豊かな自然に触れることも、昔ながらの伝統や神事を継承することもできない。考えてみれば、私のこれまでの人生は前ばかり向いた勝者の論理であったのだ。


 失くして初めてわかるものがあり、亡くして初めて知ることがある。そろそろゆるりと過ごし、ときどきは後ろを振り返ってみるがいい。遅きに失する感はあるが、この歳になって改めて気づいた。







人生の約束
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No title

そうです。なくして初めてその大切さをわかります。なくしてばかり、失敗の連続を続けている僕の感想です。

Re: No title

山猫軒さん
こんにちは。

> そうです。なくして初めてその大切さをわかります。

最近、麗しの君の愛犬や知り合いの猫ちゃんが
相次ぎお亡くなりましたこと
心よりお悔やみ申し上げます。

> 失敗の連続を続けている僕の感想です。

そのことがポエムの糧となり哀愁となって
いるのですね。
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