命燃ゆ







 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」がいよいよスタートし、特別な思いで見ている。幼き頃から長州という故郷への愛着が人一倍ある他、長州という響きの中に、今ある私の魂の根幹があると思うからである。誰しも、生まれ育った風土と生活環境がその人の性格や考え方に影響を及ぼすであろうが、私にとっての長州は今の私を決定づけていることに間違いない。

 毎朝、行商に出かける母は幼い私にひとこと言って出かけた。その頭文句は決まっていた。「お前は長州藩士の子孫だから」と。その後に続く言葉は毎日少し違っていたように記憶している。「お前は長州藩士の子孫だから、ひもじくても食べ物をいただいたりしないように」、「お前は長州藩士の子孫だから、ちゃんと勉強するのですよ」といった調子である。休みの日には高杉晋作の墓に連れられ、晋作を囲む墓石の何周目の墓石がお前の先祖なのだと何度となく説いて聞かされた。

 長屋の一軒に間借りし、まだ4歳か5歳の幼子をひとり残して行商に出かける母の心中たるや、いかばかりだったのか。せんない思い、不安な気持ち、かわいそうだけど仕方ない現実。だからこそ、しっかりしてもらわないといけないと思う強い母心。近所の長屋の住人が柿やお饅頭を持ってきてくださり食したことがあったが、後でこっぴどく叱られた。「情けない!長州藩士の子孫はひもじくても我慢しなさい」と。残された幼子がひとり勉強といっても絵本があるわけでもない。みかん箱の机に新聞紙を広げて、ただただ習字の真似事をする毎日であった。

 幼い頃のこうした環境から、次第次第に私の心の中に長州藩士の子孫というプライドが宿り、だからへこたれない、だから我慢できる、だから負けない、そんな気持ちが自然と育っていったような気がする。それはもはや洗脳された信奉者の世界である。人からみればつまらない信奉者であっても、所詮、人は何かにすがって生きているのだと思う。

 NHKの大河ドラマ「花燃ゆ」を見ながら、私の中の長州魂がメラメラと沸き起こり、今の仕事を天職として全うするのだという決意の「命燃ゆ」の思いにある。遠い時を経てなお、維新の息吹と闘志は脈々と私の心の隅に残っているように思えてならない。







長州魂
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No title

geoさん
これが長州魂と迫りくる書です。
現代も含めて長州は優秀な方が多いですね。
geoさんは書家としても成功しそうですよ。

ブレナイ生き方、ブラヴォ~~~!

Re: No title

チカちゃん、
いつもありがとう。

> これが長州魂と迫りくる書です。

酔った勢いって、こんな感じです。

もっと人間味ある書を書けたら最高ですが。
修行が足りません。

Re: タイトルなし

夕里子さん
いつも応援、ありがとうございます。
今度いつか、正しい呼吸法を
習いに行きますね。
ブラボーは貴女です。

No title

長州魂ですか、いいですね。
八重の桜では会津魂でしたね。
武士道にはいいものが多く、
惻隠の情というのが好きです。
藤沢修平の作品なんかもいい。
ただ実際の生き方を問われると、
汗顔の至りです。

Re: No title

rippleさん
こんにちは。

> 長州魂ですか、いいですね。
> 八重の桜では会津魂でしたね。

今なお、長州と会津は相容れない
ところが残っているのも不思議です。

> 惻隠の情というのが好きです。

ほう、憶隠の情ですか。
勉強してみます。
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