あれから1ケ月




広島の大規模土石流が発生して1ケ月。
この間、現場に行きたい気持ちは、
捜索活動に邪魔ではとの思いとの狭間で葛藤し、打ち消された。

それが、よくやく最後の行方不明者が発見されたことで区切りがつき、
先週の連休に行くことができた。

捜索活動のための仮設の幹線道路は確保されているものの、
土石流の残骸は山となり、手付かずの状態である。

土石流残骸

一階を飲み込む

土石流の谷

現場は異臭と土埃、線香の匂いに包まれ、
あちらこちらで、花を手向けて祈ったまま動かぬ人を見かける。
到底、声をかけることすらできない。
深い深い悲しみが広がり、
ヒソヒソ話の声が、助かりし者と失いし者の岐路を象徴する。

現場で偶然にも、師に出会った。テレビのインタビューに応じていた。
こちらにもマイクが向けられるが、
こんなときに飄々と技術論を喋る気にはとてもなれない。

ほんとうは言いたかった。
こんなチャチい流路工では到底、水は掃けない。
こんな曲がりくねった流路工は土石流の流れを逆に阻害する。
こんな粘土化したマサ土だからすぐに飽和するのはわかってた筈。
もともと民家やアパートは旧い土石流の上にあるのだと。

流路工

旧土石流


流路工


だけど、そのような技術論は現場では何の足しにもならず、
畢竟、我々はどうのように尊い命を守ればいいのかに終着するのである。
私は、ただただ、あちらこちらで祈ることしかできなかった。



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No title

geoさん
こういう画像を見るとどうしても3・11を思い起こします。
東北もきっとまだまだでしょう。
人間の無力 命の儚さ
祈るしかないのは私も一緒です。

Re: No title

チカちゃん、
こんばんは。

> 人間の無力 命の儚さ
> 祈るしかないのは私も一緒です。

そういう思いを共有できて
嬉しいです。
私は技術者、科学者以前に、
人間としてなんにもできない
自分に限界を感じています。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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