土佐雑感





 「男もすなる、日記といふものを、女もしてみむとて、するなり」の書き出しで始まるは有名な「土佐日記」である。それになぞらえ、昨年から出張する機会が多くなった土佐の雑感を記す。

 広島から土佐へは、どんな交通手段を使おうが、どんなルートで行こうが、所要時間は4時間以上もかかる。土佐が陸の孤島と言われる所以が理解できようというもの。一番楽なのは新幹線で岡山に行き、岡山から土讃線の特急「南風号」に乗っていく方法(下図①)であるが、岡山から高知までが長い。吉野川の急流沿いに大歩危、小歩危といった険しい四国山脈を横断するため、スピードが出ない。それに土讃線は単線であるため、途中駅で時間調整することもある。長くて長くて非常に退屈な旅となる。





陸の孤島

大歩危



 車で行くとなると、瀬戸大橋から四国に渡って高知道を走るルート(上図の②)が一般的であるが、これも長い。それに、ひとりだと疲れるし高速料金が高い。かといって、尾道からしまなみ街道を通って今治に渡り宇和島経由で行くルート(上図の③)はさらに時間がかかる。いずれにしても広島から高知は長い長い旅となる。往復8~9時間かけて打ち合わせ30分の日帰り出張のときには、何をしに行ったやらと脱力感に襲われる。

 高知駅を出ると、まず目に留まるのが駅前の銅像である。坂本龍馬を中心に、左の武市半平太、右の中岡慎太郎の3体はいずれも太い。いかにも土佐らしく飾り気がない威風堂々とした佇まいである。これを山口県萩市にある長州志士の銅像と比べると一目瞭然。土佐の無骨さと長州の繊細さが対照的である。
この土佐藩士の銅像、今回の台風接近で飛ばされる危険があるため緊急移動したとか。胴体がでっかい割りに中は空洞なのかも知れぬ。


銅像


長州藩士像


 時間があったので高知城に赴く。追手門の石垣を見て驚いた。粗雑な石を大雑把に積み上げているのである。これもまた土佐ならではの風情である。



追手門



 追手門を潜り抜けたところに板垣退助像がある。「板垣死すとも自由は死せず」の明言は明治時代の一大流行語だったとか。散歩をしていた地元のおじいさんに声をかけて、土佐の歴史についてひとしきり論じ合った。90歳になるというこのおじいさん、教養が高くて素敵な紳士であった。このあと、折角ここまで来たのだからと類稀ない馬鹿を承知、天守閣まで登って市内を一望した。



板垣



 高知城の近くに「ひろめ市場」がある。龍馬通りなど7ブロックからなり、鮮魚店や精肉店、雑貨、飲食店など個性的な店が集う。至るところにテーブルと椅子が並べられ、客は自分の好きなものを買ってテーブルに持ち寄って食べるというスタイル。昼間から市民が沢山集う。家族連れで昼間からお酒を酌み交わしながらガヤガヤと。知った人を見かけるとすぐに合流し、宴会さながらの風景があちらこちらに。ふ~む、これが土佐なのか。瀬戸内海育ちが太平洋の荒波に飲み込まされそうになる。


ゆめの


 夜になると当然のこと、繁華街へ繰り出す。はりまや橋から追手前、帯屋町界隈まで豪快な造りの飲み屋が続く。土佐には土佐鶴をはじめ銘酒が多いが、豊能梅もそのひとつ。日本酒専門店が多いのも土佐の特徴。土佐の人はみなお酒が強い。お酒を注がれたら返杯するのがルールだとか。そのルールを律儀に守ると、ついつい飲みすぎてしまう。土佐人は呑みっぷりが豪快である。

土佐の酒



 土佐はなんといっても鰹だけど、これが何ともブットイ。にんにくスライスを挟んで豪快に食べるのだが、あくる日臭くないのか。心配ご無用。土佐ではにんにく臭さは役所でも許されるというから、驚きである。ひとりで居酒屋めぐりをして探し当てた県庁近くの居酒屋。何といってもここのにぎり寿司は絶品である。


寿司


 そんな土佐の旅の終いは、決まってさば寿司を買って南風号に乗り込む。土佐人は朴訥として豪快であるが、シャイなところもある。長州人と似ても似つかぬ人となり。逆にそこが気が合うところかも知れぬ。


さば





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No title

こんばんは。

台風が近づいていますが、そちらは如何ですか。

四国は未知の地域です。
電車でも、車でも、直線距離の2倍以上もあるのですね。

銅像の移動作業の様子、テレビで見ましたよ。
トラックの大きさから、さほど重くないと思いました。

魚を肴に飲む清酒、いいですね。
豊能梅は未知の酒です。
土佐鶴や梅錦、美味いですね。

Re: No title

吾喰楽さん
おはようございます。
こちらは台風避けていくみたいです。
むしろ、そちらがヤバイでしょ。

> 四国は未知の地域です。

行かれたことないですか?

> 魚を肴に飲む清酒、いいですね。
> 土佐鶴や梅錦、美味いですね。

さすがに日本酒の通、
よくご存じで。

No title

geoさん
おはようございます。
仕事とは言えどこかゆったりとした風情を感じます。
土佐へは行った事がありませんが
亡き父が土佐の高知のはりまや橋で~♪という歌を
よく口ずさんでいたのを思い出します。
南国、、大らかで優しい気質、お酒が美味しい
そんなイメージ。
特にひろめ市場はいい感じですね。一杯やりたくなりましたww
geoさん、不便な出張先ながらも
お楽しみの一つなのではないですか?ww

Re: No title

チカちゃん、
おはよう、
じゃないかもう昼過ぎだ。

> 亡き父が土佐の高知のはりまや橋で~♪という歌を
> よく口ずさんでいたのを思い出します。

ほほう、お父さん、通では?
土佐で芸者遊びしたとか。
いや、失礼しました。

> 特にひろめ市場はいい感じですね。一杯やりたくなりましたww

チカちゃんはどこでもいいんでしょ。
一杯やれれば。
な~んちゃって。
これまた失礼しました。
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