巧い言葉にご用心
最近の広告やコマーシャルには甘い言葉や巧みな言葉が氾濫している。その最たるものがサプリメントなどの健康食品である。BSコマーシャルの大半がサプリメントなどの健康食品と言っても過言ではない。それも、何度も何度も呪文のように執拗に繰り返す。「ペテン紛いの健康オタクキャンペーン」とも言えるこの風潮は年々過熱するばかり。いささか辟易しており、憤慨の感情すら覚える。
購買をそそる甘い言葉や巧妙な言葉はいかにも疑惑のデパートである。
「なくなり次第終了」----------(なくなったらどうだというのか、増産すれば済むこと、あり得ない)
「初回限定」---------(初回の罠にかかると後が大変、これが坩堝の出発点)
「数量に限りがあります」---------(なぜ限りがあるのか、意味不明)
「先着〇名さままで」---------(ほんとうにそうしているとは思えない)
「限定〇名さま」---------(限定する意味がわからない)
「1家族〇個限り」---------(同じく、個数を限定する意味がわからない)
「今から10分以内」---------(11分後に電話しても20分後に電話しても多分受け付ける)
「数日で効果があります」---------(その証拠を示せ)
「効果がなければすぐにお返しください」---------(言われなくても返す)
「残り〇個限り」---------(倉庫に山ほどあるくせに)
「特別限定品」---------(何がどうして特別なのか意味不明)
効果があるあると言うだけで、ちっとも具体的なデータを公表しない。稀に効果を示す図を出しているが、画面の片すみに見えないように小さく「当社比」とある。「当社比」であることすなわち、独断的な内々のデータである。信憑性がないことの何よりの証拠である。
おまけに、有名人を使っているのが気に入らない。もともと有名人を信じていないが、サプリメントのコマーシャルに出るような有名人はもっと信じられない。仮に有名人がそのサプリメントを愛飲していて効果があるというのなら、コマーシャルに出ないで自身のブログで訴えれば済むことだ。もしくは、広告元からの収入がないことを会計監査報告書にて示すべきである。民間人とて同じ。ほんとうに事実であれば、仮名ではなくどこどこの誰々ですと公表すべきである。
少しばかりの素養がある市民であれば、そんなサプリメントは飲用しないか、飲用したとしても厳選するだろう。しかし、物事をあまり深く考えない善良で無知無垢な市民が体を弱らせると、すがるようにいとも簡単に騙されるのも間違いない。そして、知らず知らずのうちに多くの薬によって体が蝕められていく。
今の法律ではこれを取り締まることはできないのかも知れないが、消費者庁は何も手を下していないのが実情である。市民に注意喚起したり、健康食品広告のガイドラインを作成したり、行政指導したりと、いろいろやれる筈なのに。ともかく、甘い話や巧い話には乗らないに限る。
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