財政の本丸




 家計において、日々、少しでも安いものを買うなどの節約は大切なことである。でも、どのように節約しようが、どのようにやりくりしようが、収入と支出のバランスの根本が変わるものではない。もっと稼ぎのいい仕事に転職するとか、もっと安いアパートに住み替えるとか、抜本的なことをしない限り、家計の赤字を大幅に解消することはできない。

 企業においても同じ。コピーの裏紙を使うとか、文具を節約するとか、使用しない電源を小まめに消すとか、そういう社内の節約は大いにやるべきだ。しかし、そんなことでは赤字経営を黒字転換することは無理である。顧客の開拓、新しい技術の開発、生産効率、賃金の見直しなど、売り上げと原価の抜本的対策が必要となる。

 この国の借金問題とて同じである。今はやりの公務員改革だって、そうである。公務員全員をタダ働きさせても5兆円に過ぎない。公共事業をすべてゼロにしても5兆円である。それでも借金70兆円の10兆円に過ぎない。金利だけでも10兆円であるから、公務員全員をタダ働きさせて公共事業をすべてゼロにして、ようやく借金は膨らまなくなる。財政の本丸は、公務員改革でも公共事業縮小でもない。生活保護不正受給者の一掃でもない。

 日々の節約や改革というのは、所詮、精神論である。しかし、財政の本丸は精神論では決して解決しない。まずもって、財政立て直しの大きなビジョンがなければならない。ビジョンとは確固たる論理的な将来展望である。例えば、人口減少、少子化、海外流出などに対する基本的な将来ビジョンが求められる。そのビジョンが決まりさえすれば、あとは、それをやり抜く覚悟と継続が求められる。

 しかし残念なことに、この国にはビジョンも覚悟もない。だからして、この国の財政再建は難しい。唯一の救いは、辛抱に耐えることのできる賢い国民が主役であることである。ただ、その国民にも辛抱の限界というものがある。私も、今の政治に辟易し、辛抱の限界にある国民のひとりである。





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No title

今の日本には、国を背負って立つリーダーシップ
のある人間がいなくなったという事ですね。
耐乏生活は、希望があるから、耐えられるのであって
希望の無い将来に、いつまでも我慢はできませんね。
これからの日本、お先真っ暗です。

Re: No title

トパーズさん、
おはよ。
ただ今、日本時間5時30分です。

> 今の日本には、国を背負って立つリーダーシップ
> のある人間がいなくなったという事ですね。

石原都知事が昨日、新党立ち上げを
宣言しましたが、
ちょっと、こちらも危ういしね。

> これからの日本、お先真っ暗です。

どっかに逃げようかしら。

No title

たしかに精神論です。
大いなる目にはっきり見えない無駄は気にしないで、
小手先の目に見えるとこだけやり玉にあがるんですよね。

根本的なところはザル。

政治にも事件にも最近興味が持てないというか、
見て楽しい気分には決してならないので
ニュースはTVからもネットからも遠ざかっています。

そのうち浦島太郎になるかも^^;

Re: No title

みかんさん、こんにちは。
車通勤、もう慣れましたか?

> 根本的なところはザル。

ザルもザル、スッカスッカです。

> 見て楽しい気分には決してならないので
> ニュースはTVからもネットからも遠ざかっています。

そりゃそうだ。
だけど、国民が諦めるのが一番恐いことだぞ~。
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