曖昧模湖(あいまいもこ)



 島国の日本においては、古来より村の中の秩序を重んじてきた。秩序という掟を破れば村八分に遭うので、民はできるだけ摩擦を起こさないように心がけてきた。その伝統的精神構造が現代にも伝承されている。自分の意見を明確に述べない、物事をはっきりさせない、曖昧な約束、などなど。

 「今度、食事でもどう?」と誘って「そのうち」と返答されたら、婉曲な否定に間違いない。「これは駄目これは良いと、明確にしましょう」と会議で提案でもしたら、「まあまあ、そこまではっきりさせなくても」と言う輩が必ずいる。若い人の言葉だったら「びみょ~」という表現になろうか。あれもこれも、人間関係をざらつかせないための生活の知恵であり、その知恵が日本人の精神構造に深くに染み付いた結果であろう。

 そのような不明確化、協調化、折衷化、玉串色化は、それはそれで良いこともある。実現しなくても責められない。誰も責任をとる必要がない。どのような結果でも可である。摩擦を起こさなくて済む。しかし、事と次第によっては大きな問題となり、絶対に避けなければならないこともある。こと、国民の生命と財産に関わる国の判断においては。

 「2030年代に原発ゼロ」の方針を打ち出した矢先に閣議決定が見送られ、おまけに建設中の原発再開を決めた。経団連やアメリカの圧力が加わったのであろうが、明らかな論理矛盾である。その論理矛盾を否定するからまた矛盾が生じる。原発再稼動の判断について、政府は「規制委が判断する」と言う。しかし当の原子力規制委は「再稼動の判断はしない」と言う。まるで責任のなすり合いであり、これでは互いに鬼の役を嫌がって泣き出す学芸会の幼稚園児と同じである。

 古来より曖昧模湖が蔓延ってきた日本ではあるが、一方で民は、「嘘は泥棒の始まり」、「自分のことは自分で」をはじめとして、親から子に生活の礎を伝えられたものである。どうやら政治家の家系には伝えられてないようである。「嘘をつく」「信念をもたない」「責任を擦り付ける」「間違いを認めない」「決して反省しない」が政治家の資質のようである。





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No title

田中角栄の演説は
語尾があいまいだった
美濃部さんは学者だから
語尾が明瞭だった
前者は情に、後者は理性に訴えた

No title

ウソをつく、信念を持たない・・・
どこぞのお国と同じですなぁ。

ちなみに似たような意味合いに「となり百姓」という
便利な言葉もあります。

まったく、お尻の青いニイちゃんたちの
「政治ごっこ」にはうんざりですなぁ。

No title

私は、「検討します」という回答が日本的で嫌いです。
できるのか、できないのか、Yes,Noできちんと答えて欲しい。

Re: No title

rippleさん、
昨日はありがとう。
早撃ちマックでよく間違えます。

> 田中角栄の演説は
> 語尾があいまいだった

あれはあれで、らしいですね。

> 美濃部さんは学者だから
> 語尾が明瞭だった

これもこれで、らしいですね。

相反する人を並べると、
言葉の妙がわかり易いですね。

Re: No title

しあわせさん、おはよう!

> ちなみに似たような意味合いに「となり百姓」という

人と同じ行動をとっておけば安心するのでしょうね。
人間の本性の一部かも知れませんね。
私自身は曖昧が嫌いです。
どこかゲルマンの血が混ざってるのかと
思うことがあります。

最近、ブログも生活も好調のようですね。

Re: No title

おっ、3連荘のフィーバーですね。

> 私は、「検討します」という回答が日本的で嫌いです。

いい言葉せすね。「検討しません」と言ってるようなものですが。

> できるのか、できないのか、Yes,Noできちんと答えて欲しい。

トパーズさんも私と一緒で、ゲルマンの血が騒いでますね。

どうしましょう?

新聞読んでも、テレビニュースを見ても「あきれてもの言えぬ」状態です。
民を守ることも出来ぬ国会議員達。
役人達は血税を好き放題に使ってきた。

国破れてから幾年、民の住む山河無しです。
政治の貧困は国滅ぼしかねません。

Re: どうしましょう?

与作さん、こんにちは。
寒暖の差が大きいですね。
とくに奈良なんかは盆地だから
ひどいでしょね。

> 新聞読んでも、テレビニュースを見ても「あきれてもの言えぬ」状態です。

ほんとほんと、怒るのを通り越して呆れますね。

> 国破れてから幾年、民の住む山河無しです。
> 政治の貧困は国滅ぼしかねません。

維新に希望をかける気持ちもわかります。
切腹覚悟の腹が座った政治家がいないもんですかね。

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