言葉は危うい



 日常、電話で会話しても、相手に誤解を招いたり、こちらが早とちりしたりすることは往々にしてある。まして、各々が別々に発した言葉を聞き伝てに会話が交錯する場合は、まるで真意が伝わらないことも多々ある。それは、相手と直接会って話をしていないことが大きな要因であり、直接に会って話せば、相手の表情や素振りから相手の真意や心情が伝わってくるというもの。

 日常の個人レベルにおいても、会話や言葉による誤解が生じたり真意が伝わらないと、互いに精神的に消耗する。ましてや、これが国と国との関係になると、消耗どころの話では済まされない。相手国への国民感情を大きく左右し、国力にも及び、ひいては戦争にもなりかねない。最近の時事における「領土問題」と「国有化」が良い例である。

 日本政府が呪文を唱える如く繰り返す「(尖閣諸島に関して)領土問題は存在しない」という言葉。この言葉に常々違和感を覚えるのは、私だけであろうか。形だけの日中国交正常化40周年を記念して、先日、日本の要人が大挙して中国に擦り寄り外交をした。その中のひとり、見た目は人の良いおじいちゃんのY会長(個人的に大嫌いである)は帰国後、「中国がこれまで問題視していることを日本が問題がないというのは理解できない」と政府を批判した。政府はO副総理の談話として、これに不快感を示した。

 どこかボタンの掛け違いというか、意味が違うのではと思う。日本の「領土問題は存在しない」の意味は、『尖閣諸島は過去の歴史経緯や国際法上からも日本国有の領土であることは明々白々である。よって問題になることはない』ということだろう。しかし、現実には日本と中国の間で領土の主権と領有を争っている。これが事実であり、そのことをもってしても問題なのではないか。とどのつまり、日本政府の「領土問題」という曖昧な言葉が問題なのであり、これこそが火種であるように思えてならない。

 「国有化」という言葉による不和も同じである。「国有化」という言葉がもつ意味は、中国と日本で異なる。中国の土地はすべて国有あるいは農民による集団所有である。日本的な私有地は存在しない。したがって、尖閣が日本人の「私有」から「国有」に変わったことは、中国の目からすれば日本による侵略性が高まったと考えて当然であろう。

 国と国との外交折衝は相手国の思想・主義・経済体制を基本に考えることは当然であるが、それにも増して、国としての認識や意識の違い、国民性や国民感情などを十分に理解せねばなるまい。言葉の使い方を間違えたことで国民が不利益を被り国力が低下するのはまっぴら御免である。政府の要人には言葉の重さ、危うさを今一度考えてもらいたい。ついつい軽口を叩く私の自己反省も込めて。




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No title

言葉の誤解は良くあります。
毎度、私の軽口が誤解のもとだったり、口は災いのもとと知りつつ直す気もない~♪
政治家は語尾を誤魔化すのが上手いですね。
外交ではこの日本ニュアンスは通じないどころか火種かも?

田中真紀子文部科学大臣が、
お互いの違い認めて尊重し合うのが教育の基本だと何度も言われていますが、いじめ問題だけでなく、健常者、障害者、男女、人種すべての差別にも通じますし、国と国も同じことが言えるんじゃないでしょうか?

Re: No title

みかんさん、ちょっと最近歩きすぎですよ。
歩けばすっとするかも知れないですが、ほどほどに。

> 毎度、私の軽口が誤解のもとだったり、口は災いのもとと知りつつ直す気もない~♪

アッハ。俺と一緒や。

> お互いの違い認めて尊重し合うのが教育の基本だと何度も言われていますが、いじめ問題だけでなく、健常者、障害者、男女、人種すべての差別にも通じますし、国と国も同じことが言えるんじゃないでしょうか?

ぜんぜんわかってないし説得力ありません。
我々は議員の内なる悲鳴を聞きたいのに。
俺が悲鳴あげてどうするんかい!


No title

益々泥沼化していく、尖閣、竹島問題、
今後どう決着をつけるのか、とても気になります。
前原さんや田中さんを入閣させたので、日中関係が
好転するとでも思っているのでしょうか。、

Re: No title

連荘ありがとう。

> 益々泥沼化していく、尖閣、竹島問題、
> 今後どう決着をつけるのか、とても気になります。

一回、ドカーンとやらないと駄目でしょ。

>田中さんを入閣させたので、日中関係が
> 好転するとでも思っているのでしょうか。

バカな夫が防衛大臣を罷免させられたとき、
夫をかばってゴタゴタ言わずおとなしかったから、
そのご褒美らしいですよ。
罷免を受けるとき次の約束があったのかも知れません。
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