未だ「原子力ムラ」の中にありて




 大飯原発再稼動に至る茶番のシナリオを見るに、また国会の事故調査委員会での参考人招致を見るに、改めて、この国は「原子力ムラ」という毒されたおぞましい巨大牙城から足を洗えていないことを思い知らされる。律する側も律される側も、官も民も、「原子力ムラ」にとっぷりと漬かってシナリオが作られている。もはやこの国には正義はないのかとまで思ってしまう。

 大飯原発再稼動せんがため、地元町長、福井県知事、経済産業省、閣僚、首相など関係者すべてがそれぞれの立場で建前の演技を行うさまは、見ていて滑稽でもある。そうまでしなくとも、地元町長と福井県知事は、反対したいのはやまやまだが地元の生活を守るために補助金が欲しいのだと言えばよい。経済産業省、閣僚および首相は「原子力ムラ」を死守するための既定路線だと言えばよい。

 そもそも、中立公正をもって審査すべき国会の事故調査委員会なるもの自体が毒されているのである。誰がどういう目的で召集したのか、どういう観点から委員を任命したのか、委員会の権限とは何か。すべてが茶番である。それは委員のメンバーを見てもわかる。元日本学術会議会長の黒川委員長をはじめ、元検事長や元国連大使など、物言わぬ元名誉職をかき集めただけである。中に、あのノーベル賞の田中耕一さん(島津製作所フェロー)の名がある。ノーベル賞に何が審査できるというのか。物言わぬメンバーの箔をつけたつもりなのか。肝心なリスクマネージメントの専門家は誰一人としていない。

 原発事故収拾に尽力し脱原発を打ち上げた前首相を吊るし上げ、当事者は自分には非がないと嘘ぶく。それをまた平然と認める事故調。事故調の参考人招致に立った前首相の最後の答弁が「原子力ムラ」を抱えた日本の病根のすべてを語る。

 『福島第一原発事故がわが国全体の病根を照らし出した・・・・・・・(東電と電気事業連合会を戦前の軍部に例え)原子力行政の実権を掌握し、批判的な専門家や政治家、官僚は村八分にされ、多くの関係者は自己保身と事なかれ主義に陥って眺めていた。そのうえで、いろいろな批判や危険性の指摘に対して軽視し封じ込めてきた』

 「原子力ムラ」を中心としたこの国のやり方は、もしかしたら北朝鮮や中国よりも質(タチ)が悪いかも知れぬ。ただ唯一、かすかな救いは、大江健三郎さんや坂本龍一さんらを中心に、脱原発への国民的なうねりが展開していることである。今はこれに賭けよう。




スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

No title

すべては、利権ですね。
それだけです。

○○委員会など今さら何も信用できません。
おっしゃるように茶番そのものです。
まったく、まともに聴いていると胃が痛くなります。

Re: No title

しあわせさがしさん、
こんばんは。

> ○○委員会など今さら何も信用できません。

はい、その委員会の末落にいますが、
もうやめようと思ってます。

> まったく、まともに聴いていると胃が痛くなります。

普通の神経だと胃が痛くなりますね。
もう長くはないので(私の場合です)ゆるりと
やりましょうぞ。

こんなカリカリしてる間はまだ大丈夫ですか?


えっ?

胃がんでも宣告されたのですか?
まさか・・ねぇ・・・
ストレス抱えないよーに。

Re: えっ?

こんな私めのことを、心配していただけるなんて、
ありがとうございます。
今のところ大丈夫です。
憎まれっ子・・・・
もう少しおつきあいくだされ。

No title

おはようございます。
ご無沙汰しました。
休みの日に どうかジオさんの記事が
難しくないように・・と祈りながら開けるのですが
今 正座して どう書こうか思案しています。
つまり 私のような下々がこのように
見ない振りをして 私は知らないって
言ってしまうのがいけないのでしょうかね・・
見ているだけでバカバカしい 
子供の学級会の方がよほど正義がありますね。
お金は大事だと思うけど
使い方を知らないおバカな国には明るい未来はないのでしょう・・
脱原発のうねりが異端児にならないよう応援して行きます。

Re: No title

こんばんは、になりました。

> ご無沙汰しました。

ほんと、あちらこちらにお出かけ
のようで。

> つまり 私のような下々がこのように

めっそうもない。
下々なんて。
私は下々の話が得意ですが(関係ない)。

> 使い方を知らないおバカな国には明るい未来はないのでしょう・・

チカちゃんに、おバカな国って言われちゃ、おしまいだ。

> 脱原発のうねりが異端児にならないよう応援して行きます。

私は既に十分、異端児ですが。
プロフィール

geotech

Author:geotech
geotechのブログへようこそ!

団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
blogram投票ボタン
フリーエリア
シニア・ナビ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR