狼少年


 今、不確実な地震予知情報の負の連鎖が起きている。内閣府は南海トラフのマグニチュード9.1の地震で津波が34mと想定する。文部科学省は東京湾北部直下型地震で最大震度7の予測図を作る。これをもとに、東京都が被害想定図を公表する。この種の地震予知に関する情報が連日、繰り返され、ある情報がまた新たな想定を生み、それが次々と連鎖している。

 これらの情報に共通していることは、「もし」南海、東海、東南海のトラフが連動し「たら」、「もし」これらの地点で同時に地震が発生し「たら」、「もし」考えられる最大級の津波が到達し「たら」と、仮定のまた仮定をいくつも積み重ねていることである。そして、それではその確率はと尋ねると、俄然、言葉を濁す。

 数億年を扱う地質学や地震学における時間のスケール感覚は、一般市民とはかけ離れる。100万年前は最近であり、1万年前はつい昨日のような感覚である。だから、「1000年後に発生しても今日起きても不思議ではない」と真顔で専門家が語るのは、当の本人にとっては1000年後も今日も同じ程度の感覚でしかないからである。

 考えうる最大限の危機や最悪のパターンを想定外として想定することは結構なことである。しかし、具体的な確率を数字で表せないものは想定外に過ぎない。それはちょうど、北朝鮮が南海上に飛ばそうとした弾道ミサイルが人間に当たる確率と同じようなものである。

 その想定外の予測に対して沖縄にまでPAC3を配備したのは裏に別の意図あってのものだが、想定外の地震予知をもとに真面目に対策を考えるというのか。本気でやれば、国家予算の全てを投じても足るまい。

 想定内と想定外を分けなければならない。想定内には万全の対策を講じる必要がある。想定外に対しては心構えの備えが必要である。専門家は発言内容の確実度と確率をしっかりと伝えなければならない。そうしないと、ただの狼少年に過ぎない。



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少しご無沙汰しました

こんにちわ。先週末から少しご無沙汰しました。
先週木曜日に山猫軒さんと直接お会いしていろんな話をさせて頂きました。geotechさんとは既にオフ会で旧知の仲との事。広島と東京ではなかなか直接お会いするのは難しいでしょうが、ブログを交換しているとお会いしてなくとも親しさは増すばかりです。今後ともよろしくお願いします。
不確実な事への備えはどうでもいいとは言いませんが、原発事故の収束を一刻も早く何とかしてほしいものです。

Re: 少しご無沙汰しました

爺さま、こんにちは。

> 先週木曜日に・・・・・・

名前を明かさずとも、両方のブログを見て、
どなたと会われたのかすぐにわかりました。

人とは面と声と文章と一致しない意外性があるものです。

> 広島と東京ではなかなか直接お会いするのは難しいでしょうが、ブログを交換しているとお会いしてなくとも親しさは増すばかりです。今後ともよろしくお願いします。

ありがとうございます。
いつか会うこともあるでしょう。
私こそ、兄貴の存在のようで
親しさを感じています。
こちらこそ、よろしくお願いします。

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