待ったなし

 大相撲の話ではない。消費税の話です。「待ったなし」とは、一刻、一刻と経過が時を刻んで、万策尽きてもうあとがない状態だと、私は理解している。大相撲においても、立ち会いが進んでいって制限時間一杯の最後の立ち会いになると、行事が「待ったなし」を宣告する。つまり、「待ったなし」にはそれまでに果たせなかった努力の経緯があり、それを実行する最後の機会となってしまったという意味合いがある。

 それでは、天下の泥鰌が盛んに繰り返す「増税の待ったなし」はどうなのか。今まで増税を訴え続けて準備や環境作りに万策を尽くしたが、もうあとがないというのか。そうではなかろう。ある日降って湧いたような、風雲急を告げる施策である。それどころか、民主党は政権を奪取したとき、政権期間中に消費税は上げないと確約していたはずである。

 国民とて誰しも、消費税を上げざるを得ない事情を理解している。それなのに国民の過半数が反対するには訳がある。つまり、まずマニフェスト違反の反省がないこと、次にマニフェストと真逆の政策転換になったことの説明がないこと。このことに異論を唱えているのである。

 そもそも、増税議論のきっかけがさもしい。とりもなおさず、社会保障制度の破綻にある。それも破綻を宣言するというならまだしも、破綻を認めずに繕うとするから嘘になる。繕っても繕っても、破綻は破綻である。それは、社会保障と税の一体改革の中身を見ればわかる。

 破綻を認めず現行制度を容認することを前提としているので、その改革たるや、要するに借金返済の期間を40年にするか50年にするかという議論である。最低保障年金だって、現在10代の子供が70歳以上になったときの話である。到底、我々の世代には関係のない話である。返済期間を何年にするとか、最低保障年金を定めるや定めないという議論が続く。究極は与党内部でも増税そのものに抵抗してまとまっていない。

 こういう不毛な議論の最大の問題点は、税と社会保障に関する将来のあるべき姿、つまり全体の骨格を示していないからである。手段だけを提案して目的を示していないことに最大の問題がある。

 私の提案は、社会保障制度の破綻を認めた上で、一旦、清算した上で新たな社会保障制度をスタートさせることである。清算においては、これまでの個人個人の支払額と支給額の差額を国が返済し(人によっては既に支給額が上回っているがその場合はチャラにする)、その上で1割負担、2割負担、3割負担といったメニューの社会保障を国民に選択してもらう制度である。原則、掛け捨てが望ましい。

 ほんとうに「待ったなし」なのは、増税をすることではなく、具体的な将来像を示すことである。




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No title

一体改革なるもの、何度聞いても理解できません。
40年、50年先のことも大切かも知れませんが、議論のスタート地点が明確でないからであるのはご指摘の通りです。
破綻破綻とよく言われますが、現状がどうなっていて100年安心プランがいつどのように破綻するか、先ずもって示してもらいたいのが偽らざる心境です。

Re: No title

爺さん、おはようございます。
放射冷却で随分と冷えました。

>現状がどうなっていて100年安心プランがいつどのように破綻するか、先ずもって示してもらいたいのが偽らざる心境です。

そういえば、自公時代に100年安心プランというのがありましたね。
あれって、どこに吹っ飛んだんでしょうね。
国民の政治屋不信は究極ですね。
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