巨大地震は起きるのか


 東大地震研究所の平田教授による「マグニチュード(M)7以上の地震が4年以内に70%の確率で起きる」との発表があった。時同じくして、相模湾、富士五湖周辺、茨城沖など関東一円で最近、地震が多発している。

 さらに最近、謎の深海魚であるリュウグウノツカイやクジラが各地の海岸に打ち上げられ、宏観(こうかん)前兆現象とみなされたりもしている。こうしたことから、にわかに巨大地震発生の危機感が広まっている。果たして、ほんとうに巨大地震は起きるのか。

 ほんとうに巨大地震は起きるのか。そんなこと、誰にも分かりはしない。ただ、先の平田教授による地震発生確率の話などに誤解があってはならないので、以下に少し補足しておく。

 そもそも、地震予知は過去の履歴をもとにした確率論の域を脱していない。つまり、理論的に明確な根拠があるものではないことを認識していただきたい。

 地震学の分野では1/10の法則というのがある。分かり易く言えば、ある小さな地震の頻度に対して、マグニチュード(M)が1ランク上の地震の発生確率は1/10になるという法則である。これは、有史以来の地震の発生頻度を規模別に整理した結果から生み出された経験則である。

 それでは、「マグニチュード(M)7以上の地震が4年以内に」というのはどのように計算されたのか。例えば、現在M3以上の余震が1ケ月(30day)に200回程度起きているとする。その確率は1回/0.15dayとなる。すると、M4の地震が起きる確率は1回/1.5dayとなり、M5の地震が起きる確率は1回/15dayとなる。さらに、M6の地震が起きる確率は1回/150dayとなり、M7の地震が起きる確率は1回/1500day、すなわち約4年に1回の割合で発生することになる。話は割合と単純である。他にもいろいろ難しく計算するケースもあるが基本的な考え方は同じである。

 次に、「70%の確率」という数字はどこから来るのか。これは統計学を少しでも勉強された方ならわかるであろう。例えば1日に起きる地震回数が3回だったり、4回だったり、5回だったりする。これを1ケ月でみてみると、2回の日が1日、3回の日が3日、4回の日が10日、5回の日が6日、6回の日が3日といった頻度分布になる。頻度分布が正規分布である場合、平均値から標準偏差の1/2を引くと、その確率は70%になる。つまり、70%は元になるデータのバラツキを考慮した確率である。




標準偏差


 「マグニチュード(M)7以上の地震が4年以内に70%の確率で起きる」のカラクリは以上である。従ってこの予測は、あくまでもある仮定条件と適用範囲の基に試算されたひとつの結果であるという注釈を明確に添えなければならない。試算結果だけを発表するから誤解が生まれる。

 それはそれとして、3.11以降、余震の頻度が数倍増えていることだけは事実であるそれだけ列島は3.11に刺激された歪を起こしていることは間違いない。巨大地震の発生確率は間違いなく高まっている。備えあれば憂いなし。できることから地震に備えよう。



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No title

マグニチュード7以上、4年以内70%の確率で起きる。
計算式有り難うございました。
やっぱり関東ですか?
地球相手なので、こればかりは備えあればですね。

Re: No title

奈良の与作さん、こんばんは。
冷えますね。
奈良は盆地ですから格別冷えるでしょうね。

> 地球相手なので、こればかりは備えあればですね。

地球相手ではわかりません。
問題は、わかったような顔する学者です。

No title

備えあれば憂いなし。できることから地震に備えよう・・・・・
では、とりあえずどんなことから、始めるのがいいのでしょう。

Re: No title

トパーズさん、

> では、とりあえずどんなことから、始めるのがいいのでしょう。

あなたはとりあえずニューヨークですから、
地震のことよりテロのことを考えた方は良いかもね。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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