原発事故の真相(2)

(2) SPEEDIの存在

 3月11日の事故の夜、官邸中枢が避難区域を決定した。原子力安全・保安院の院長である寺坂と原子力安全委員長の班目(まだらめ)も同席していた。その後、原子力安全・保安院は「(避難区域の決定について)いきなり結論が下りてきた」としている。そのことについて、菅は総理を退いた後に、「俺の目の前に保安院のトップがいたんだよ」と憤る。事実、寺坂はSPEEDIのことについても菅に言わないでいた。その後、寺坂は退社してOBとなったが、現在でも取材に応じず、保安院も寺坂への取材を妨害している。

 3号機が爆発したのは3月14日、午前11時1分。直後、菅直人は党首会談を打ち切って関係者全員を総理執務室に召集した。海江田経産大臣、枝野官房長官、福山官房副長官、原子力安全・保安院の安田、原子力安全委員長の班目。

 「何が起きてるんだ」と菅が皆に尋ねる。しかし、誰からも返事がない。その頃、福島県内では半径20キロ圏内の避難区域に残る人たちの救出が続いた。県外への避難者も続出していた。

 一方、避難計画の切り札である文科省所管のSPEEDIは震災直後から放射能の拡散方向を予測していた。その予測はほぼ正確であった。文科省、保安院、原子力安全委には1時間ごとにデータが送られ、同じものが外務省を通じて在日米軍にも届けられた。しかし、SPEEDIの存在を知っていた官僚、保安院、原子力安全委の誰ひとり、SPEEDIの存在を官邸やどの政治家にも伝えなかった。菅の目の前に保安院、原子力安全委の幹部がいたにもかかわらずである。

 官邸はSPEEDIの存在すら知らされないままに、情報収集に奔走した。ほぼ正確なSPEEDIの予測がまったく使われないままに同心円状の避難が進められた。



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No title

ご無沙汰しております~
読み逃げ常習犯です!

私達の知らない事故の真相、恐ろしいですが
知りたいし、可能な限り知っていないといけないと思います。

geoさんのブログで知ることが出来てありがたいと思っています。

geoさんのブログ、私のほうでも紹介させていただいても
よろしいですか?

Re: No title

シュンランママさん、
お久しぶりです。
お元気でしたか?

> 読み逃げ常習犯です!

はい。読み逃げ犯は多いです。
どうぞどうぞ。

> geoさんのブログ、私のほうでも紹介させていただいても
> よろしいですか?

はい、全然構いません。
紹介してください。

No title

官邸が、原子力安全・保安院から、つんぼ桟敷にあっていた
事実に驚いています。

No title

ブログから、初めて知る事があり驚いています。
何かあれば蓋をする、正義が通らないの事は想像をしてましたが、あまりにもお粗末ですね。
1・2と拝見していますが、続きも読んでいきたいです。

Re: No title

トパーズさん、おはようございます。
雪がちらついてます。

> 官邸が、原子力安全・保安院から、つんぼ桟敷にあっていた

官邸だけでなく、政治家の誰しもがつんぼ桟敷状態であったと
想像します。
恐ろしいことです。

Re: No title

まこさん、おはようございます。
まだ雪は残ってますか?
こちらはチラチラ降ってます。

> 何かあれば蓋をする、・・・・・

日本人らしいといえばそうですが、
空しいことです。
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