芥川賞


 最近の芥川賞や直木賞の受賞もの小説をいくつか読んで、かねがね、つまらないと思っていた。ワクワクしない、面白くない、特段に文章が長けているとも思わない。その矢先の今回の受賞発表と不穏な発言であった。

 芥川賞受賞の田中さんの発言が気に入らない。同じ郷里・下関の出身にしても、弁護する気になれず、興ざめした。彼が不憫な生い立ちであることや勉強が嫌いなことなど、どうでもいい。口下手で、人との接触が嫌いなことや友だちがいないことも、個性といえば個性である。芥川賞を受賞しても、芥川龍之介が大の嫌いだというが。それも勝手といえば勝手である。

 しかし、嫌いな理由に「芥川小説は人生を語っているからだ」と。人生や人間関係を自ら遮断しているあなたに、人生の何がわかっているというのか。

 石原都知事は芥川選考委員を今回限りで辞退すると発言した。その理由はやはり、「ワクワク感がない未熟品が多い」と。その発言に対して、田中さんは「東京都知事閣下および東京都民のために受賞してやった」と。ジョークにしても品位のかけらもないこの発言には、嫌悪感さえ感じる。もしかして、田中さんと石原都知事は、人の意見など聴かない似たもの同士かも知れぬ。

 選考委員の顔ぶれや選考方法など、芥川賞や直木賞の形骸化や通念化が指摘されている。賞に値する作品がなければ見送ればよいことだが。受賞すれば書店に山積みとなり、バナナの叩き売りのように捌かれる。そして、受賞者は鼻高々に好きなことを語る。それまで日の目を見なかった青年や乙女が、世に出た瞬間に自分は偉くなったと勘違いし、そのような振る舞いをとる。このような光景をできたら見たくない。ますます賞もの小説を読む気がしなくなった。しばらく私は古典を読むとしよう。


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No title

本を読んでいないので、インタビューだけからの感じしか
分かりませんが、ユニークな人ですね。なにか世の中を
斜めに見ているけれど、どんな本を書いたのか気になり
ます。このインタビューのおかげで、受賞作品は飛ぶよう
に売れるでしょうね。かといって、作為的でもないようだし、
爆笑問題の大田みたいで、おもそろそうですね。だいたい
芸術家というものは偏屈ではないでしょうか。(^-^)

Re: No title

rippleさん、こんにちは。

>なにか世の中を斜めに見ているけれど、・・・・

斜めも何もみていないのでは。

> 芸術家というものは偏屈ではないでしょうか。(^-^)

偏屈は勝手だけど・・・・・

ところで明日、参加されるそうですね。
みなさんによろしく。

No title

>人生や人間関係を自ら遮断

そうするしか生きる道がない人間も存在します。
私はそういう息子に『働け』『稼げ』と言い続けた母親です。
彼は今、顔面がぴくぴくするストレス症状を持ちながら
現時点、
生真面目に職場に通い、時に心の荒廃をみせます。
どう生きるが良いか?
どんな親の態度が良いのか?

田中氏は天狗になったというより、
彼の母親の話から
極度の緊張下にあったのではないか?と思っています。
マスコミの切り口は面白可笑しくですから、真実は???


Re: No title

みかんさん、こんばんは。
今日は東京でオフ会があったそうで、
私は今回参加しませんでしたが、
みかんさん、広島でやれば参加しますか?

> 彼は今、顔面がぴくぴくするストレス症状を持ちながら
> 現時点、
> 生真面目に職場に通い、時に心の荒廃をみせます。

そうでしたか?
心ない発言をしました。



>
> 田中氏は天狗になったというより、
> 彼の母親の話から
> 極度の緊張下にあったのではないか?と思っています。
> マスコミの切り口は面白可笑しくですから、真実は???

タナカさん。

最近、芥川賞受賞作が、何だかちんまりしていると感じていたのは私が呆けた訳ではないのですね。
心配していたのです。
自分はもう感動が薄くなった人間なのかと・・・
インタビュー、見ましたよ。
緊張のあまり、・・・・と、そしてフツーが嫌いな人なんだと、思いました。
精一杯の背伸びにも見えましたが。

マア、二作目以降が見てみたいですよね。
読んで、ではなく・・・ふふ・・・

Re: タナカさん。

ミルフィーユさん、こんばんは。
お久しぶりです。

> 自分はもう感動が薄くなった人間なのかと・・・

またまたご冗談を。
あれだけ感動的な写真や文を綴っていて。

> 緊張のあまり、・・・・と、
> 精一杯の背伸びにも見えましたが。

自然体というより、かなり緊張して背伸びしてましたね。
ま、政治家だって、なると思わない大臣になって、
いらんこと言っちゃいますからね。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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