除染


 かねがね、「除染」という言葉にひっかかりを持つ。「除染」とは「汚染物質を除去する」意味であり、福島における「汚染物質」とは「放射性物質が付着した物」を指す。それでは、「除去」とはどういう意味なのか。「除去」とは「取り除くこと」である。つまり。「除染」とは「放射線物質を取り除く」ことに他ならない。

 屋根の放射線物質を高圧ホースで除染するという。高圧ホースで洗い流された放射線物質は家の廻りに落ちる。やがて雨水とともに土中に浸透する。また、放射線量が高い公園の遊具や道路の側溝を洗い流すという。この場合も、放射線物質は周囲の公園の地面に浸透したり、側溝から排水枡に落とされる。

 それでは、学校や民家の汚染された地面を掘り起こし、汚染されていない土と置き換える場合はどうか。掘り起こされた土はどうするのか。一時的に保管され、やがて中間貯蔵地に移動する計画だと言う。

 こうした「除染」行為は、果たして本来の意味の「除染」になるのか。放射線物質の「移動」に過ぎないのではないのか。本来の「除染」とは、放射線物質を分解・中和などによってその場で除去することである。そのような薬剤や手法の研究も進んではいるが、即効性ある現実的な供用には間に合っていない。だからこそ、放射線物質の「移動」をもって「除染」としているのである。

 ましてや、汚染された砕石を生コンクリートや道路の砕石に利用するとはどういうことか。「除染」どころか、汚染物質の底知れぬ「拡散」に他ならない。新築マンションに避難してきた人が高放射線量にさらされるという、とんでもない事態を起こしている。

 この場合、マンションを売った不動産会社も、マンションを建てた建設業者も、コンクリートを提供した業者も、砕石業者も、ある意味、みな被害者である。誰が悪いのか。SPEEDI による正しい情報を公開しなかった国と、その大元の事故を起こした東電に責任があることは言うまでもない。

 私はかねてから、「福島のある地域を封鎖して犠牲にする」という提案してきた。つまり、あえて言うと「死の街提案」である。この提案はあまりに非情であるとの多くの批判も頂戴した。しかし、「除染」という途方もない非現実的な課題を熟慮しての、やむを得ない提案と心している。

 除染という行為が計り知れない位に大変であり、不可能に近いこと。さらに砕石事件のような汚染物質の「拡散」を危惧しての提案である。「放射性物質の拡散」はこれから果てしなく拡大するであろう。今からでも遅くはない。目を醒まして、汚染の現実と向き合い、現実的な対策を講ずるべきである。


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No title

こんばんは。
放射能物質に「色」を付けることは出来ないのですか?
除染って言ったって ザァ~と寄せてブルーシートを掛けたり
土嚢袋に入れたり・・子供だましみたいですぐ劣化してしまいそう。
地中に埋めて土を1m被せればOKって本当ですか?
国の情報は楽観的で 後で悪い方に訂正される印象ばかりです。



Re: No title

チカさん、こんばんは。
お疲れ様さまでした。

> 放射能物質に「色」を付けることは出来ないのですか?

いい質問ですね。なんちゃって池上風です。
可能です。地下水では色素を流して、
地下水の流れを追跡しています。
たとえば、プルトニウニに付着しやすい色素子を
開発すればすむことです。
これはそんなに難しいことではないと思います。

> 地中に埋めて土を1m被せればOKって本当ですか?

覆うものの放射能透過率によります。
たとえば、アスファルトやコンクリートだと50cm位でかなり遮断できますが、
土だと2~3m必要かも知れません。
そんなこと、すぐに実験して公表すればいいことなのに。

同感です

「除染」耳慣れない言葉がすっかり変に思わなくなりました。
国や地域の指導者が音頭を取って騒いでます。しかし貴兄ご指摘の通り、放射性物質を単にあちこち移動させて(撒き散らして)いるだけで何の解決にもなっていません。
かき集めた放射性物質は元の場所に戻すのが本筋でしょうが、狭すぎるなら、これも仰るように県内のどこか場所を定めて集積するしかないでしょう。

No title

本当にそうですね
私もただの「移動」に過ぎないのになあとずっと思っていました
根本的な方法を早く実行しないと・・・・
後の時代を生きる多くの人達の為に・・・・。

Re: 同感です

爺さん、こんにちは。

> 「除染」耳慣れない言葉がすっかり変に思わなくなりました。

馴れというのは恐いですね。

> 国や地域の指導者が音頭を取って騒いでます。

もっと怒って騒ぐべきだと思います。

Re: No title

さくら子。。さん、こんにちは。

> 私もただの「移動」に過ぎないのになあとずっと思っていました

やはりそう思われてましたか。
ほとんどの国民がそう思っているのでは。
困ったものです。
孫の時代がどうなることやら、今から心配です。
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