再び、青年に問う



 昨日、「青年の主張」というタイトルでブログを書いた。その直後、街に出たところ、ちょうど成人式を終えた若者の群集に出くわした。広島市内の成人の全員ではないかと思うくらいの数の青年が、次から次に群をなして会場から出てきていた。

 成人式を終えた彼らの服装を見て驚いた。男子はほとんど背広であるが、たまに紋付袴の者もいる。しかし、女子は全員が振袖なのである。それでもと、目を凝らして観察したが、結局、振袖以外の女子は一人もいなかった。

 一生に一度の成人の祝いに、振袖で着飾りたい本人の気持ちはわかる。それ以上に、親として娘に振袖を着せてやりたい、その気持ちはさらにわかる。しかし、各々に家庭の事情もあろうにとか、女子全員がほんとうに本人の希望で着たのだろうかと。そんなことをつらつらと思いながら眺めていると、我が娘のときのことを思い出した。

 私の娘は、大学生時代、訳あって、私が家から出るように命じた。友達の下宿を転々としたことが、後で聞いてわかった。私に隠れて、私の同居人は娘に仕送りを申し出たらしい。が、結局、娘はそれを拒否し、アルバイトをしながら自力で大学を卒業した。その娘の成人式に、せめて振袖をと同居人は娘に申し出た。が、娘はそれも拒否した。娘の成人式の姿を草葉の陰から観察しに行った。娘は自分で作ったというドレスを着て、意気揚々と多くの友と歓談していた。もうあれから17年が経つ。

 そういえば、成人式を迎えた彼らが生まれた20年前といえば、ロック歌手の尾崎豊が死んだ年である。高校を中退し、自由を求めて外に飛び出した彼の反骨精神に、多くの若者が共感し、陶酔した。大人社会への反発、不信、抵抗が入り乱れた感情となって爆発した時代である。

 ところが、最近の若者に尾崎豊をどう思うかと聞いても、「別に!」と、沢尻エリカ風の答えが返ってくるという。今の青年は冷静で謙虚である。格差も貧困も自己責任と受け止める優等生である。20年経てば、これほどまでに価値観が変わってきてしまったのか。

 それでいいのかと、オヤジは危惧する。1000人が1000人振袖を着ている事実をもってしても、それでも君らは個性があるというのか。振袖はよしとしよう。君の考えはほんとうに君の意思なのか。ただただ、周囲を気にして群れているだけではないのか。君は何のために生きているのか。君にとっての国とは何なのか。「若者よ、もっと怒れ」と親父は言いたいのである。これが、ほんとうの意味の老婆心であったらいいのだが。「別に!」と、冷静にひとごとのように収められればいいのだが、それができない自分がここにいる。

群れる鳥



瀬戸内の 筏に群れる 若き鳥
己が羽にて 春に飛びたて



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No title

成人式や
結婚式だけでなく
もっと和服を
着てほしい
とも思っています

いまの若者も
ときどき
りっぱなのがいて
捨てたもんじゃない
とも思っています

こんばんは~

ご無沙汰をしてしまいました。
やっと、自分のリズムを取り戻して、落ち着いた時間を過ごしております。

誰にでも若い時代があり、その時の想い出は年を取ったときに
ふとしたとき、そして自分の子どもがその年令になったときに
どこからかふっと飛びだしてきます。

私も、子ども達の誕生日には自分がその年令だった時のことを
思い出します。
人間はそうして年を取って、振り返って、苦笑いをして、残りの人生を
過ごすのでしょう。

Re: No title

rippleさん、こんばんは。

返事をどう書こうかと悩んでまいた。
柄になく。

> いまの若者も
> ときどき
> りっぱなのがいて
> 捨てたもんじゃない
> とも思っています

確かにそういう若者もいますが、
全体的に迫力に欠けます。
青春とは無茶をやる時代ではと思います。
変にお利口で真面目な奴が多いのが目につくのです。
それが気に入らないです。

ごめんなさい。
田舎の老人の遠吠えです。

Re: こんばんは~

おしゃれな猫さん、
お久しぶりですね。

> やっと、自分のリズムを取り戻して、落ち着いた時間を過ごしております。

でしょ。忙しかったようですから。
寝込んでなくて何よりです。

> 私も、子ども達の誕生日には自分がその年令だった時のことを
> 思い出します。
> 人間はそうして年を取って、振り返って、苦笑いをして、残りの人生を
> 過ごすのでしょう。

ああ、昭和の優しいお母さんですね。
私もツンツンしないで、そんな風に穏やかに物事を見れるように
しなければならないですね。

私は心配しません

私はgeotechさんと同じ年寄りで、現代の若者のファッションなどについては同じように違和感を覚えることが屡です。
しかし彼らが日頃考えている中身は推し量りようがありません。確かに我々の時代には想像できなかったような、とんでもない事に頭を使っているように見える事も多々あるのも事実です。
その事について直接批判したい気持ちもあるのですが、私はしないように努めています。
所詮彼らが自身で問題に直面した時、こちらが助けるわけにはいきません。自分で頭をぶつけて痛みを感じないと直らないでしょう。
孫の行動を見ていますと、自分では若い時思いもよらなかった言動に遭遇する事があります。

Re: 私は心配しません

爺さん、こんにちは。

> その事について直接批判したい気持ちもあるのですが、私はしないように努めています。
> 所詮彼らが自身で問題に直面した時、こちらが助けるわけにはいきません。自分で頭をぶつけて痛みを感じないと直らないでしょう。

さすがに、先輩は冷静ですね。
実際、私が気を揉んでどうなるものでもないですからね。
ただ、これは私の性分ですね。

どのような世の中になることやら。
子どもや孫の世代が幸せな時代であることを祈るばかりです。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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