サンタは実在するのか



 クリスマスも終わると、時は駆け足で大晦日へと突入する。そのクリスマスの後日談やら思い出話を紙面やブログで目にする。団塊の世代では、子どもの頃のサンタの思い出がほとんどない人と強烈に記憶している人に2分される。クリスマスそのものが、さほど浸透していなかった時代でもあった。家庭の経済的な事情もあり、加えて、家によっては輸入物の慣習に対する抵抗感もあったのではと想像する。

 クリスマスという慣習は我々、団塊世代が親の時代にはほぼ定着し、団塊世代が爺と婆になった今日においては、我々の子どもである親の采配によって如何ようにも進化し、如何ようにも廃退しようとしている。

 そこでクリスマスの主人公であるサンタの扱いについて、いろんな意見が出てくる。昔と変わらずイヴの夜に枕元にそっとプレゼントを置くという親。今どきの子どもはサンタが実在するなんて思っちゃいないから、最初からサンタの話題はしないという白けムードの親まで、さまざまである。

 ここで私は、ふと、ほんとうにサンタは実在しないのかと考えてみた。そりゃ我々団塊の世代だって、サンタは偶像ではないのかと、子供心にも疑ったものだ。でも、そのような噂は友だちから友だちに口伝えされだけなので、そのうちに、何もかもわかった大人になってしまったような気がする。つまり、サンタ情報の伝播速度より成長速度の方が速かったので、サンタの実像を検証する暇もなく大人になっていたのではないのか。

 それに比べて、確かに今どきの子どもは何でも知っている。そりゃそうだ、この情報化社会において、サンタは実在するのかという命題そのものが馬鹿げたものであり、子供にさえ笑われるかも知れない。

 今どきの子どもは現実とバーチャルを手際よく分離して、頭を切り替えてそれに対処している。しかし、現実とバーチャルの世界を切り離すことによって、無味乾燥の殺伐とした世の中になっていることも否めない。果たして、現実とバーチャルの間はないのか。

 サンタは現実とバーチャルの世界の橋渡しとも言える。別にサンタでなくともいいのだ。天使でも、神のお告げでも、白馬の王子でも、青い鳥でも、宇宙人でも。そのような謎めいたはっきりしない偶像が物語を作り、感情となって、子どもの情操を高める。そしてそれが、やがては夢やロマンに繋がっていく。情報社会・効率社会・スピード社会の今日においてこそ、ほんとうはどうだろうという遊び心が欲しい。サンタは子どもの心にしっかりと実在することを願いたいものである。
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