「出来ない上司」と「出来ない部下」

 
 例えば「出来ない上司」がいて、「こんな上司には付いていけない」と、部下が啖呵を切ったとする。それで何か生まれるだろうか。啖呵を切っただけで、そのままその上司に仕えたとする。上司は啖呵を切った部下を良くは思わないであろうし、部下は部下で、それでも居座ることに後ろめたさを感じ、ますますやる気が失せるであろう。

 啖呵を切った後に、部下がその組織を飛び出したとする。しかし、次に行く組織に「出来ない上司」がいない法則はない。一方、部下に逃げられた「出来ない上司」はリーダーシップがないと烙印を押される。いずれにしても、「出来ない上司」にとってもその部下にとってもいいことにはならない。

 少し前の政局でのこと、海江田経産相が辞意を表明したときもそうであった。玄海原発の再稼動のために、経産相は県知事と町長に同意を求めに行った。その直後の首相のストレステスト発言である。菅前首相が「出来ない上司」に相当するか否かは別として、少なくとも経産相は「出来ない上司」と思ったであろう。

 経産相は「やってられない」と感じて辞任を口にしたのであろうが、それがまずい。それもプロの政治家である。「やってられない」と思っても、それを口にしないのが、職業人としての矜持(きょうじ)である。

 話を一般社会に戻そう。逆に、「出来る上司」ばかりいたらどうだろう。「出来る上司」は何でもひとりでこなすから、部下に頼らない。「出来る上司」の元では往々にして部下は育たないものである。「出来ない上司」がいるからこそ、部下は育つという側面もある。

 それでは、「出来ない部下」がいて上司が手を焼く場合はどうだろう。上司が部下を「出来ない」「出来が悪い」と繰り返しても何にもはじまらない。「出来ない部下」を「出来る部下」に育てるのが上司の役目であろう。「出来ない部下」を「出来る部下」に仕立て上げることができれば、上司冥利につきるというもの。「出来る部下」ばかりいるのであれば、上司は要らない。

 「出来ない上司」に仕える部下と「出来ない部下」をもつ上司。ともに、「出来ない」相手だからこそ自分の励みになるのではなかろうか。「出来る上司」と「出来る部下」ばかりでは面白くも何ともない。何のドラマも生まれない。それに、「出来る人」とか「出来ない人」とかは社会の物差しで計った偶像であるのかも知れない。いろんな人がいてこそ、この世の中うまくいくし面白い。いろいろな人に仕え、いろいろな人を教育してきた長年の社会経験からの感想である。
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No title

こんばんは!
出来る、出来ないが早口言葉のようで笑わせて貰いました~

私が出来る上司と思い描くのは
部下の個性を上手く使って 全体の士気を上げてくれる人。
残念ながら今まで出会えたことがないですね~

私の所は
多種の専門職の集まりですからね・・総括するのは難しいのでしょうけど・・
だからこそ個人的な揉め事には介入して欲しいんですけどネ。

よく上司にしたい人ランキングってありますよね。
geoさんなら トップスリーに入るでしょう~ww

チカさんと同じ~

こんばんは^^

読んでいたら、頭の中に「出来る上司」「出来ない上司」「出来る部下」
「出来ない部下」が出たり消えたり。
そして、「はい、もう一回最初から!」で二度読みました^^

上司が2年ごとに交代するのですが、前の上司を比べることをせず、
ひたすら新しい上司の良いところを見つけようとする私です。

そう、チカさんと同じ~
geoさん、理想の上司にぴったんこ!
お世辞じゃなくて、ホントにそう思います。
しゃきっと感がいいです^^ そしてお茶目なところもね!

No title

こんばんは~
ワタシも・・・同じよ~
読み返し三度(笑)

これまで沢山、数えきれないぐらいの上司に仕えてきましたが
上司は、出来る、出来ないでなくて
上手に使ってくれる人が仕事が面白くて
職場の風通しもよかったですね。
チカさんと違って、尊敬出来る上司もいましたよ。
でも、同じ数だけ嫌な上司もいましたね。
でも、基本は、人間性に尽きるかな・・・。

No title

今晩は
私もかをるさんと同意見。

私が、尊敬できる上司は、常日頃から上下わけへだてなく
温かく接してくれ、非常事態に直面しても、慌てず
ユーモアなども交えて、部下に的確な指示を下して
難関を乗り切ることのできる人です。
この実在人物は、案の定、トップまで登りつめました。
渾名は、仏の○○でした。

No title

>出来る上司」と「出来る部下」ばかりでは面白くも何ともない。何のドラマも生まれない。

そうなのでしょうか、敢えて不協和音のコメントなのですが、アップルとかマイクロソフトとかの社史をみますと、出来る上司と出来る部下が火花を散らしたからこそ大成したようにみえます。それに比べ、音楽、映画のインフラを手にいれながら音楽ではアップルに、映画ではネットフリックスに、完全に後ろに残されたソニー、残念とは思わないのかなぁ。あるいは、出来る上司と出来ない部下、出来ない上司と出来る部下があつまっているのかな。失礼しました。

Re: No title

チカさん、おはよう。

> 私が出来る上司と思い描くのは
> 部下の個性を上手く使って 全体の士気を上げてくれる人。

それが一番ですね。
逆に、士気を下げる上司が多いですね。

> 私の所は
> 多種の専門職の集まりですからね・・総括するのは難しいのでしょうけど・・
> だからこそ個人的な揉め事には介入して欲しいんですけどネ。

チカさんの職場はちょっと専門的ですから、
また普通の会社とは違うでしょうね。

> よく上司にしたい人ランキングってありますよね。
> geoさんなら トップスリーに入るでしょう~ww

あらら、お褒めをいただき、
こいつぁ、秋から縁起がいいや。

Re: チカさんと同じ~

おしゃれな猫さん、おはよう。

> 「出来ない部下」が出たり消えたり。
> そして、「はい、もう一回最初から!」で二度読みました^^

ごめんなさいね。早口言葉の練習です。

> 上司が2年ごとに交代するのですが、前の上司を比べることをせず、
> ひたすら新しい上司の良いところを見つけようとする私です。

それって、優秀な部下の模範ですね。

> そう、チカさんと同じ~
> geoさん、理想の上司にぴったんこ!
> お世辞じゃなくて、ホントにそう思います。

あららら、またもお褒めの言葉、
ありがとうございます。
> しゃきっと感がいいです^^ そしてお茶目なところもね!

Re: No title

かをるさん、おはよう。

> こんばんは~
> ワタシも・・・同じよ~
> 読み返し三度(笑)

またまた、ダメだし三度目(笑)。

> これまで沢山、数えきれないぐらいの上司に仕えてきましたが
> 上司は、出来る、出来ないでなくて
> 上手に使ってくれる人が仕事が面白くて
> 職場の風通しもよかったですね。

それは上司に恵まれてきましたね。

> でも、基本は、人間性に尽きるかな・・・。

結局は、そうなんですけどね。

Re: No title

トパーズさん、おはよう。

> ユーモアなども交えて、部下に的確な指示を下して

そのユーモアが日本人は苦手でね。
もっと楽しく厳しくメリハリつけてってのが、なかなか。

> 渾名は、仏の○○でした。

あらら、だれでしょ?

Re: No title

makさん、おはようございます。

> そうなのでしょうか、敢えて不協和音のコメントなのですが、アップルとかマイクロソフトとかの社史をみますと、出来る上司と出来る部下が火花を散らしたからこそ大成したようにみえます。それに比べ、音楽、映画のインフラを手にいれながら音楽ではアップルに、映画ではネットフリックスに、完全に後ろに残されたソニー、残念とは思わないのかなぁ。あるいは、出来る上司と出来ない部下、出来ない上司と出来る部下があつまっているのかな。失礼しました。

ええ、ええ。出来る上司と出来ない部下の衝突、それこそが社の発展につながりますね。
問題は、建設的で生産的な衝突かどうかですけど。
また、お越しくださいね。

No title

十人集まれば
できる人と
できない人がでる
助け合うのが
いちばんですね

ぜんぶ能力主義は殺伐としていただけません。

Re: No title

rippleさん、こんばんは。

> ぜんぶ能力主義は殺伐としていただけません。

そのとおりです。
その意味で、橋本前府知事には
期待と同時にあやふやさを感じざるを得ません。

読売巨人もそうです

少しテーマから外れるかもしれません。
馬鹿な上司と仕事が出来ない部下に嫌気がさして、サラリーマンを辞めた人物がいます。
組織を個人的に見れば、常にそういった状態にあるのでしょう。
組織内にあっては、互いに個人的感情とは別の角度から上下の人間を見るようになれば望ましいのでしょう。
しかしそうは上手くいかない事態が時々起ります。結局はどちらかが辞める事になるのでしょう。

Re: 読売巨人もそうです

爺さん、
巨人ときましたか。
まさに今が旬ですね。

> しかしそうは上手くいかない事態が時々起ります。結局はどちらかが辞める事になるのでしょう。

それがサラリーマン社会の淘汰というものでしょうね。
私の場合は勝手に組織から飛び出た方ですが。

それにしても、Wオーナーってのは傲慢ですね。

No title

[「出来ない上司」の場合は周囲の頑張りと取り組み方次第と思います
「出来ない部下」の場合は上司はただひたすらに広い心でグッと我慢して待つ。
人を育てるには時間と忍耐が必要と思うのです・・・。

Re: No title

さくら子さん、こんにちは。

> [「出来ない上司」の場合は周囲の頑張りと取り組み方次第と思います

うんうん、何とも意味深な。

> 「出来ない部下」の場合は上司はただひたすらに広い心でグッと我慢して待つ。
> 人を育てるには時間と忍耐が必要と思うのです・・・。

そうですね。忍耐が必要ですね。
自分がやった方が早いと思っちゃうと、もう駄目ですね。
そこはグッと我慢。
しかし現実は難しいです。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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