職業人としての父(その八)

 世の中、不況の中でも回復基調となり、仕事も順調に伸びていったが、今度は売り手市場で人材難となった。無論、この零細会社に大学の新卒が来るはずもなかったが、あちこちの大学教授から訳ありの人材を何人も紹介された。大学に七年も在籍しているが卒業できない学生、どこの会社を受験しても受からない学生、自閉症の学生、女性ながら現場に出してほしいという学生など。結局、会社は訳あり人間が集う駆け込み寺の様相を呈してきた。訳あり人間は順次、再生して世に送り出していった。

 その後、世の中は激動の時代を迎えた。規制改革、公共事業の抑制、省庁の再編、予算の削減、インフレのスパイラル、IT改革、温暖化、サブプライムローン、原油高、食糧難など。建設関連業の廃退・倒産が相次ぎ、私の会社も当然のことながら変革をとげた。小さな集団、新規顧客の開拓、ITを活かした高品質高度化、低価格への挑戦と。そしてこのような変革の時代に何よりも大切であるのが、社長たる私の意識変革と判断のスピードであったと、今思えば、まだある会社の存続理由にあげたい。

 サラリーマンであれ、起業家であれ、商売人であれ、各々、立場が違えども、みな職業人であることに違いはない。今ある立場や環境を真摯に受け入れて、発展的に考えることが何より大切である。悲観する暇があったら、自身の努力のなさを反省すべきである。ダメな社員がいたら、そこではじめて社長が成長すると考えればよい。優秀な社員ばかりだと社長は必要ない。動かない社員がいれば、社長の使い方が下手なのだ。仕事がうまくいかないのを世の中のせいにするな。1%のアイデアと99%の汗、これこそがプロの職業人たる使命ではなかろうか。

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おはようございます。

会社経営にご苦労されたようですが順調のようですね!

『動かない社員がいれば、社長の使い方が下手なのだ。仕事がうまくいかないのを世の中のせいにするな。1%のアイデアと99%の汗、これこそがプロの職業人たる使命ではなかろうか。』

この文章がとても印象的でした。


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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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