私の夫婦論(七)

第七章【夫婦とは】

 夫婦について少し真面目に考えてみよう。

 育った環境も風土も違う男女が、ひとつ屋根の下で長く暮らすこと自体、考えてみれば大変なことである。しかも、社会的にそう容易くは別れることができないふたりである。日本の法律に基づいて、戸籍上、許された、ただ唯一の男女の契約関係が夫婦である。

 ふたりの出会いの状況は人により違いはあるとしても、少なからず最初は相手を好んだ仲である。そんなふたりが離婚もせずに最期まで添い通すには何が必要なのであろうか。無論、DVなどの暴力行為がある場合などは論外としてであるが。

 経済的なことも大きな要因であろうが、真面目に働いている範疇においては決定的なものではなかろう。世間でいう価値観の違いとか、考え方の違いとかいうのも、根本的な要因をオブラートに表現にしているようでならない。それでは、セックスレスなのか。それが原因であれば私はとっくに離婚している。

 経済性、価値観、物の考え方、優しさ、浮気のどれも離婚の大きな要因にはなる。しかし私が思うには、根本的には相手に対する尊敬の念ではないのかと思う。それはどんな小さなものでも良い。家事を任せばすごいとか、仕事に誇りをもっているとか、何でも良い。互いに、そのような気持ちが微塵もなければ、その他の条件がすべて整っても継続は無理である。

 それでは、良き夫、良き妻とはどのようなものなのか。男(夫)として、女(妻)としての義務をある程度、果たした者と定義されてもよかろう。問題は義務の内容である。経済基盤の安定、セックス、家事、出産、育児、教育、協力などなのか。

 平林たい子は言った。「理想的な良夫なんてこの世に存在しない。理想的な良夫を探すのは、乾いた水、焼いた氷を探すに等しい。」と。世の中に理想的な夫や妻がいると考えること自体がナンセンスなのかも知れない。「お宅のご主人はいいわね」といった会話も、所詮、隣の庭的な発想であろう。

 たしか、ラジオ番組で永六輔が夫婦について語っていたことを思い出した。年代別の夫婦のあり様を評していたのである。10代の夫婦は「セックス夫婦」、20代の夫婦は「愛で結ばれる夫婦」、30代の夫婦は「努力する夫婦」、40代の夫婦は「我慢の夫婦」、50代の夫婦は「あきらめ夫婦」、60代の夫婦は「感謝しあう夫婦」だと。

 これによると、私たち夫婦の場合は20代で結婚したと同時に子供ができて、その子供のことで随分と苦労した。いきなり「我慢の夫婦」から「あきらめ夫婦」になった気がする。残されたのは「感謝しあう夫婦」しかない。

 このように、同じ夫婦といえども年とともに性質が変化する。年を重ねるごとに妻は女を失い、夫は男でなくなる。これも現実である。似たもの夫婦と言われるように、年とともにどちらか強い方に似てくるのも事実。それと同時に、結婚までに形成された個人の性格は変えられないのも事実である。そこで、夫婦という一体性と個としての独立性が問題となる。
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No title

ジオさん、昨日はおつかれさま。
またまたゆっくりお話しできませんでしたね~~
そのうちスカイプで話ましょ。


今日は一段とムズカシイ論点です。
男と女、夫婦、恋人・・・
どれも一番大事な要素は「相手を尊敬」できるか。
それにかかっているといえます。

相手を尊敬できるとその他諸々は
カバーできるのでは?
わたしは夫が長いあいだ病床にいましたが
やはり根底には尊敬がありましたから
子どもも父を敬い、わたしもきちんと
成し遂げることができました。

なるほど

ジオ様、昨日はお疲れ様でした。
夫婦論・・・興味深く拝見しました。

尊敬の念と、後、思う事ですが・・・私の考えを述べさせてください。
よく、「別れたらいいのに何故別れないの」という夫婦がいるでしょう。
私にしたら不思議に思ってました。
反対に「何故別れたのかしら」と思うほど、たいした理由もないのに離婚する夫婦もいますよね。

離婚するかしないかの違い。
それは、愛情が残されているかどうかの違いじゃないかって思います。
ひとかけらの愛情でも残っていれば、人は夫婦を続けていくのではないかと。
その愛情は、もちろん他人には理解できないこともあります。


大ぜい人がいる中で、夫婦になる縁。
なぜこの人だったのかが、私には不思議でたまりません。
今は、60代の感謝しあう夫婦をめざしたいものです。

おはようございます^^

オフ会、お疲れさまでした。

まこさんの意見、まったく同感です。

>大ぜい人がいる中で、夫婦になる縁
これは不思議ですね。そして、せっかく結婚しても離婚、これも
不思議です。離婚するのは結婚以上にエネルギーが必要ですから、
何かが愛情を抹消してしまうのでしょうか。それとも、元々愛情もなく
愛情のまぼろしを見ていたのかもしれませんね。
そして、愛情をはぐくむという努力が足りなかったとも言えます。

しあわせさんの意見、「尊敬の念」は、人間の持つ一番大切な要素ですが、
それがまったくないと、結婚生活は破たんします。

生まれ育った環境が違えば、価値観、考え方なども違います。
でも、お互いの考え方を自分の中で良い形に変えられると、結婚生活は
うまくいくのではないかと思います。
結婚は「お互い」の我慢、努力、感謝で続くのではないかと思います。

No title

オフ会、残念ながらoffしました。
楽しかったようですね。
話しの腰を折るわけではありませんが、

ふうふの
かたちは
みんなちがう
みんなちがって
みんないい

Re: No title

しあわせさん、先日はありがとうございました。

地元なので、最後まで付き合ったんでしょ。
お疲れさまでした。

> どれも一番大事な要素は「相手を尊敬」できるか。
> それにかかっているといえます。

しあわせさんも、そう思いますか。
尊敬できる点を探すことも必要ですね。

> わたしは夫が長いあいだ病床にいましたが
> やはり根底には尊敬がありましたから
> 子どもも父を敬い、わたしもきちんと
> 成し遂げることができました。

そうだと思います。でないと、そんな苦労、できないと思います。
頑張れた根底もそこにあると確信します。

Re: なるほど

まこさん、先日はお疲れさまでした。

> 離婚するかしないかの違い。
> それは、愛情が残されているかどうかの違いじゃないかって思います。

その愛情の根底は何でしょ?
どんな犬でも飼えば愛情沸きますよね。
それは犬が物を言えないからだと思います。
人間は言葉を発しますから、そこで愛情も憎悪も発生しますね。
それでは、愛情を継続するためには何が必要なのでしょうか。
もう少し考えさせてください。

Re: おはようございます^^

おしゃれな猫さん、おはようございます。

帰ったら息子が女子二人を連れて帰省していたので、
昨晩までその付き合いでさらに疲れました。

>離婚するのは結婚以上にエネルギーが必要ですから、

にもかかわらず離婚が多いのはなぜでしょ。

> 何かが愛情を抹消してしまうのでしょうか。それとも、元々愛情もなく
> 愛情のまぼろしを見ていたのかもしれませんね。
> そして、愛情をはぐくむという努力が足りなかったとも言えます。

「愛情をはぐくむ」ですね。

> 結婚は「お互い」の我慢、努力、感謝で続くのではないかと思います。

そのどれもが必要ですね。
共同生活する上での人間の条件を試されているのかもですね。

Re: No title

rippleさん、こんにちは。

> オフ会、残念ながらoffしました。

残念でした。また次回、お会いしたいですね。

「夫婦の形はみんな違っていいのだ」(バカボン)
ですね。

フーンなるほど

なかなかうがった言葉をいろいろありがとうございます。
私はDVがある結婚生活で五十代後半で夫を一時捨てました。
でも、彼は諦めず一年目に二年目にと謝り「帰ってくれ」と言い、私は受け入れました。
一応たいへんな人でしたが男らしい人なので(尊敬かな???)
そして、今は共に住み"感謝できるようになりました"
わたしって考える前にキツイ言葉を発したのが良くなかったと反省もしました。

Re: フーンなるほど

dorucasuさん、ど~もです。

> 私はDVがある結婚生活で五十代後半で夫を一時捨てました。

それはそれは、失礼しました。傷つかれましたら、ご容赦ください。

> でも、彼は諦めず一年目に二年目にと謝り「帰ってくれ」と言い、私は受け入れました。

それはよかった!
自分が悪いと思えば素直に謝るのも、男らしさですよね。

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