善意の「かたち」と「きもち」

 大震災の復旧・復興に対する善意の「かたち」はさまざまである。義援金や支援物資の輪は全国通津浦裏にまで及び、ほぼ全員参加の善意が展開されている。こうした全員参加の善意は、善意のかたちとして理想的であろう。

 一方、タレントやアーテイスト、有名人などが現地に訪れて励ましている。また、チャリチイーのコンサートや演奏会、競技などのイベントも全国で多く開催されている。これもまた、前記の国民レベルの善意とは違って、有名人だからこそのインパクトが大きい励ましの原動力となっている。

 そうした中で、ソフトバンクグループ代表取締役の孫正義さんが個人として100億円を寄付したことが話題になっている。4月3日に寄付を発表したものの、1ケ月過ぎても1円も入金していないと報じられている。さらに、寄付の裏側で画策していることに対して、売名行為だとか利潤追求の戦法だとか揶揄されてもいる。

 一方、アメリカ軍による「トモダチ作戦」に対して、「その見返りに何を要求するのか」と言う意見もある。つまり、「トモダチ作戦」は単なる日米の友情からの行為ではないという懐疑的な意見である。また海上の一斉捜索の時、「アメリカ軍は空から捜索しただけで海中に潜って捜索するのはすべて自衛隊がやった。この時期に空から捜索しても何の意味もない」という批判も聞く。

 こうした意見を聞いて私は思う。とりあえず善意には素直に感謝しようよ、と。批判している人は被災者ではない。被災者だったら、どのような「かたち」であれ、援助には感謝するであろう。批判の中身の真偽について、私自身は確たる証拠も持ち合わせていない。であれば、とりあえず素直に喜び感謝したいと私は思う。その上で、この際だから善意の「かたち」と「きもち」について、さらに考えてみた。

 江頭2:50(エガちゃん)が原発事故で物資が届かない福島県いわき市に、自ら運転するレンタカートラックで物資を届けた。彼は震災直後からスーパーなどに交渉して自腹で水や電池などを購入して集めたという。本人はできるだけ極秘に行ったが、目撃者がブログやツイッターに投稿して瞬く間に広がった。当初はデマだろうという人もいたが、北野誠が所属事務所に問い詰め、最終的に事務所がその事実を認めた。

 いつもはキモイと思う江頭2:50であるが、彼はできるだけ一般人として普通にボランテイアとして動きたかったのであろう。その意味で、私は彼を見直した。北野誠は言う。認めさせたのは自分の責任である。この際、あまり拡散しないでとテレビ局などに要請したらしい。

 被災地の女子学生にどのような支援やボランテイアが心に響いたかというアンケートをしたところ、江頭2:50の行為が断トツの1位になった。多感な女子学生である。彼女らはアイドルやスターの被災地訪問や孫さんの100億円よりも江頭2:50を選んだのである。

 他にもいい話が沢山ある。小学生が少ない小遣いを貯めて街頭の募金箱に入れる。地方のひなびた漁港の漁師たちが大漁旗にメッセージを一杯書いて、港も船も失った石巻漁港に贈る。大学のボート部が手作りのボートを作って、ボートを失った東北の大学のボート部に贈る。小学校や中学校ではクラスで応援メッセージを書いて送る。義援金や支援物資とは別に、多くの励ましの手紙や絵が避難所に届けられている。意外にこれが被災者の大きな励みになっている。

 こうした数々の善意の話を聞いて、私はこう思う。善意の「かたち」というのは、人によっても立場や環境によってもさまざまである。どのような「かたち」の善意であっても、善意は善意である。しかし、肝心なことは善意の「きもち」である。善意の「きもち」や「こころ」がこもってさえいれば、どのような「かたち」でも良い。善意の「きもち」や善意の「こころ」、これこそが最高の善意なのであろう。逆に、どのような大きなプレゼントであっても、「こころ」のない贈り物は善意ではない。善意を通じて、人にとって一番大切なものである「きもち」や「こころ」について、改めて考え直させられる。
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No title

本当にその通りだと思います。

批判する事は誰でもできます。

きもち・こころの大切さを私も改めて
考えました。

Re: No title

maiさん、こんにちは。

> 本当にその通りだと思います。

あいがとうございます。

> 批判する事は誰でもできます。

私は批判する人を批判することもやりたくないです。

No title

同感です。
かたちが様々あるように、人間ですからこころも一つではないでしょう。
他人の心の内はなるべく忖度しないよう心がけているつもりです。

Re: No title

爺さま、毎度毎度です。

> 同感です。
> かたちが様々あるように、人間ですからこころも一つではないでしょう。

同感していただくと勇気が出ます。
ありがとうございます。

> 他人の心の内はなるべく忖度しないよう心がけているつもりです。

あまり詮索したくないです。
素直に受け止めたいです。
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