メルトダウンと疑心暗鬼

 新たな情報が出てくるたびに、情報を隠蔽していたとか情報を操作していたと、国民は疑心暗鬼になる。その気持ちは素直によくわかる。一義的に、国民を疑心暗鬼にさせるのは情報を出す側に問題がある。しかしながら真実はどうなのかというと、必ずしも情報隠蔽や情報操作に相当しない場合も多い。

 例えば、地震直後に既に起きていたことがわかった「メルトダウン」の問題。「隠していた」とか、「知っていたが工程表が確定するまで知らせずにいた」と批判する声しきりである。しかし、真実はどうだろうか。

 地震直後には電源がすべてショートしていたはずである。中に入ることも近寄ることも、水位計もすべての監視・調整電源がストップしていたはずである。その時点でも、ひょっとしたらメルトダウンしているかもという疑念はあったかも知れない。しかし、そんな憶測で発表することはできるはずがない。

 その後、注水冷却するも、注水しても注水しても水が充填してそうにない。地下建屋やトレンチにあろうはずがない汚染水が溜まっていることがわかる。もしかして炉心タービンに亀裂が入って漏水しているだろう、メルトダウンしているかもと、この時点でもある程度の推測がつく。それでも確信するには至らない。

 その後、ロボットが入る。空気が清浄され、人が入る。水位計が機能し、初めて水位が確認される。さらに、漏れ出た汚染水を分析したところ炉心溶融でしかありえない物質が確認される。この時点が、「perhaps」(ひょっとしたら、もしかしたら)から「probably」(おそらく、たいてい)への変換点であろう。ただし現時点でもこの目で確認した者は誰ひとりいない。

 一方、メルトダウンの発表を受けて専門家は言う。「私は最初からメルトダウンしていたと思った」と胸を張る。しかし、どの専門家がその時点であくまでもメルトダウンを強調し、政府や東電に申し入れたというのか。地震予知と同じく、ここでも後出し発言がまかり通る。

 最も懸念することは、小さな疑心暗鬼が広がり国民全体が疑心暗鬼のスパイラルに陥ることである。情報が錯綜する中、何が真実なのかを冷静に見極める力が国民ひとり一人に試されている。
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No title

きよしさま、こんにちは、ようこそ言ってくださいました。私は「結果論でしかないなー」と思い「もう見る(情報)のはやめよう」と思い、インターネットの情報を閉じてしまいました。というのもきよしさまの言うとおり
"疑心暗鬼のスパイラルに陥ることである" その言葉は私には分かっていませんでしたが・・・でもカンだったのだと思います。
 ブログをするようになり、決して会うことのない方々と出会いました。
皆さんの意見、又考えを知り感謝しています。
これからどうなるかは分かりません。私のできるのは"祈ることだけ"です。贖いの愛に満ちた神に期待します。

Re: No title

docurasuさま、こんにちは。

>ようこそ言ってくださいました。

そう言っていただければ。反論受けるのを覚悟でアップしました。

>  ブログをするようになり、決して会うことのない方々と出会いました。
> 皆さんの意見、又考えを知り感謝しています。

ブログには功罪がありますね。
功なるものに目を向けて、罪なるものには目をつむらないと。

> 私のできるのは"祈ることだけ"です。贖いの愛に満ちた神に期待します。

私はクリスチャンではありませんが、祈りはできます。
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