再び、地震予知について

 理由はともあれ、私は浜岡原発の運転操業停止要請に賛同する。しかし、その理由に納得していない。政府地震調査委員会が「今後30年内に大規模地震(マグニチュード8程度、震度6強以上)が発生する確率が87%である」とまで明言するからである。

 私は以前にもこのブログで何度か記した。自社のHPでも表明している。「現状では地震の予知はできない」と。地下深部に無数の地震計を配備した計測システムが完備しない限り科学的根拠のある予知はできない。現在の予知は有史以来の地震頻度から類推した非科学的な予想に過ぎないと。

 確かに、浜岡原発周辺はプレートの接合部にあり、活断層上に位置する。このことは、地質学者ならずとも周知されている。私自身も25年前、地震に携われば携わるほどに、東海地域の地震が恐くなって広島に逃げてきた身である。当時も伊豆半島を中心に地震が頻発していたからである。

 この地域には過去に100~150年の間隔で大地震が発生している。このため来るべき「東海地震」を想定して、海底地震計が相当に整備されてきた。だからこその予知であろうが、発生確率を数字にするほどの科学には至っていない。

「今後30年内の発生確率87%」という数字の根拠は統計学によるものである。この地域には過去に100~150年の間隔で大地震が発生している。過去の地震発生間隔からいくらでも確率は算出できる。

 例題を示そう。過去に100年、130年、110年、150年、120年の間隔で大地震が発生したとする。サンプル数は5である。頻度間隔の平均値(m)はm=122年となる。すなわち、過去に平均して122年に1度の割合で大地震が発生したことになる。頻度間隔を正規分布とみなすと、標準偏差(σ)はσ=17年となる。そうすると、平均値(m)から標準偏差(σ)を引いた値は105年となり、平均値(m)に標準偏差(σ)を加えた値は139年となる。このことから、105年~139年の間隔で地震が発生する確率は68%となる。

 しかしながら、問題はサンプル数である。世論調査などでは1500~2000をサンプル数としていて、これだけあると信頼性が高い。そこまでなくても、統計学では最低でも100程度のサンプル数が必要とされている。平均して122年間隔の地震記録(サンプル数)が100あるということは過去12,200年分のデータがないといけない。2011年に紀元前を少し加えても足りるはずがない。したがって、地震の発生確率は信頼性に欠ける。仮に別の算出方法をしたというのであればそれを明示すべきである。


正規分布
スポンサーサイト

コメントの投稿

非公開コメント

プロフィール

geotech

Author:geotech
geotechのブログへようこそ!

団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

最新記事
最新コメント
最新トラックバック
月別アーカイブ
カテゴリ
フリーエリア
blogram投票ボタン
フリーエリア
シニア・ナビ
検索フォーム
RSSリンクの表示
リンク
ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

QRコード
QR