20ミリシーベルトの意味


 文部科学省が設けた校庭利用基準「年間20ミリシーベルト以下」の是非が問われている。この基準でも健康への影響は心配ないとする専門家もいれば、通常の1ミリシーベルトで運用すべきだと主張する小佐古内閣府参与が辞任するなど、混迷している。それでは一体、何を信じればよいのだと、地元はもっと困惑している。

 国際放射線防護委員会(ICRP)の2007年勧告によると、原発事故などの緊急時の被曝量は20~100ミリシーベルトの範囲で運用すべきであり、事故後は年1~20ミリシーベルトの範囲で対応するようにとある。「年間20ミリシーベルト以下」はこの勧告の収束後の上限を暫定値として採用したものである。

 暫定値が適正か否かは別として、暫定値の根拠はそれなりに納得できる。しかし、問題は実際の運用基準である。文部科学省は年間20ミリシーベルトを超えないように逆算し、校庭の放射線量が毎時3.8マイクロシーベルト以上ならば屋外活動を1時間程度に制限するとしている。うん?なぜ?ここで頭脳の回路が停止する。

 1日24時間365日、毎日四六時中、屋外にいるとして、年間20ミリシーベルトを超えないような毎時の放射線量とはどの位になるか、逆算してみる。結果は〔20,000÷365÷24≒2.28マイクロシーベルト/時間〕となる。3.8マイクロシーベルトよりも厳しく規制しなければならないが、1日24時間365日、屋外にいることはないので、非現実的である。

 それでは政府が規制する毎時3.8マイクロシーベルトの放射線を毎日1時間365日受けるとどうなるのか。結果は〔0.0038×365≒13.87ミリシーベルト〕となり、年間20ミリシーベルトという基準を大きく下回る。

 年間20ミリシーベルトという基準を適用するまでは良いが、それではどうして「毎時3.8マイクロシーベルト以上ならば屋外活動を1時間程度」という制限になるのか。いろいろ試算してみた結果、次のような考え方によるものであろうことがわかった。

 1日のうち8時間屋外にいて、残りの16時間は屋内にいるのが、標準的な屋外屋内の過ごし方のようである。さらに、木造家屋の屋内にいると、放射線量は屋外の40%と言われている。そうすると、年間放射線量は〔(0.0038×8+0.0038×0.4×16)×365≒20ミリシーベルト〕とピタリと年間放射線量の基準に一致する。だとすれば、「3.8マイクロシーベルト以下であれば8時間程度の通常の屋外活動は許される」とすべきではないのか。
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