メア氏の沖縄発言

 ケビン・メア米国務省日本部長が2010年12月、国務省内で行われた米国人大学生への講義で飛び出した沖縄に関する発言が物議を呼んでいる。講義においてメア氏は「合意に基づく『和』の文化が日本文化」と説明した。これに続けて「日本人は合意を模索するふりをしながら、できるだけ多くのカネを得ようとする。沖縄の人々は日本政府に対するごまかしとゆすりの名人だ」と語ったという。

 また、日本の政治家は本音と建前を使い分けると指摘した上で、「沖縄の政治家は日本政府との交渉で合意しても、地元に戻れば合意していないと言う」と発言。普天間問題に絡み「日本政府は沖縄県知事に『カネが欲しいなら(移設計画に)サインしろ』と言うべきだ」と述べたという。

 メア氏の発言に対して日本政府は、「オフレコかどうかにかかわらず、極めて不適切であり、沖縄県民のみならず日本人の心情を傷つけるもので容認し難い」と抗議した。

 本音と建前は別に日本に限ったことではない。世界のどの国にでもある。メア氏がオフレコだと注釈した上で発言したこと自体、本音と建前を使い分けている証拠である。「沖縄県民のみならず日本人を侮辱した発言である」という「建前」の抗議はそれはそれとして、メア氏の発言は日本人、とくに沖縄県民の「本音」の一端を言い得た発言だと、私は思うのである。

 確かに、沖縄県民を「ゆすりの名人」という言い方は無礼である。しかし、そのようなふしは全くないであろうかと考えるに、残念ながら肯定せざるを得ないのである。普天間基地の移転、さらには米軍基地の海外移転に、現時点では過半数の沖縄県民が賛同した形となっているが、その陰には賛同せざるを得ない地域事情がある。さらに、実際に移転すれば多くの県民が経済的に困窮することは目に見えているわけである。移転反対と移転賛成の意見の狭間で、拮抗した力関係を推移してきた沖縄の歴史が苦渋の事情を物語ってもいる。

 メア氏のこのような発言や沖縄県民の苦渋の歴史の陰にあるのは、沖縄県民の貧困である。米軍基地があることによる危険性、米軍基地があることによる抑止力の評価という日本の防衛に関する議論とは切り離して、沖縄県民の経済的自立を急がねばなるまい。それによってはじめて、真の沖縄県民の声が聞こえてこようというものである。
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