老後の生き方

 老後の3大不安要素を尋ねたら、誰しも「お金」「健康」「生きがい」をあげるであろう。そのどれもが老後に必要であろうが、果たして、どれが一番大切であろうかと考える。しかしそれより前に、そもそも「老後」とはいつのことを指すのだ。「老後」の定義がはっきりしなければ、先の解答もはっきりしない。

 「老後」という言葉自体がおかしい。老いてさらにその後というようにとられがちである。ではなくて「老齢期」と呼ぶべきでないのか。Wikipediaによると、「老後とは、年をとってからのこと」とある。なんだこの解説は。つまり一定の年齢以降を老後としているようであるが、それでは一定の年齢とは何歳をいうのか。

 生命保険見直しのキャッチフレーズに「定年退職前後に老後を迎える人向けに、・・・・・・」というのがある。ということは、年齢ではなくてリタイア後を「老後」というのか。すると生涯現役を通そうとしている私には「老後」はないのか。また、専業主婦業の女子はいつをリタイアとみなすのか。どうも「老後」の定義がわからない。

 こんなことでつまづいていたら、ほんとうに「老後」になってしまうので、一般的にリタイア後を「老後」としよう。年齢にすれば、定年退職の65歳前後としよう。そうすれば、どちらにしても私は「老後」に該当しないから。
 
 さて本題であるが、「お金」「健康」「生きがい」のどれが一番大切かと尋ねても難しい。あり余る財産を抱えながら癌で余命幾ばくもない老人患者と一文無しの健康老人と、どちらが幸せかと言われても答えようがない。しかし、あり余る財産を抱えながら癌で余命幾ばくもない老人患者は沢山いそうだが、一文無しの健康老人というのは滅多にいない。お金がなければ健康も維持できないであろう。すると、「余命幾ばくもない」というのは少し極端にしても、まず「お金」あっての最低限の「健康」と考えれば、先立つものは一定の「お金」となろう。

 それでは、「お金」と「生きがい」はどちらが優先されるべきか。あり余る財産を抱えながら生きる希望のない老人と、趣味を生きがいにはつらつと生活するものの明日の生活費に苦しむ老人、どちらが幸せであろうか。あり余る財産を抱えながら生きる希望のない老人は沢山いそうであるが、明日の生活に苦しむ老人が趣味を生きがいにはつらつとするであろうか。そうすると、どちらが幸せというより、ここでもまず先立つものは一定の「お金」となろう。

 つまり、先立つものとして一定の「お金」がなければ、「健康」も「生きがい」もない。それでは「老後」に必要な一定の「お金」とはどの程度なのか。保険会社の試算による「老後」の最低日常生活費は、月額166,270円としている。内訳は食料費31,370円、住居関連費55,610円、被覆・履物費5,030円、雑費1(保健医療費・通信交通費など)39,700円、雑費2(小遣い交際費など)34,560円である。

 また、総務省が発表した「家計調査(平成17年)」によれば、高齢者世帯が実際に必要とする生活費は月額約27万円とされている。さらに、生命保険文化センターが行った「生活保障に関する調査(平成16年)」では、ゆとりある老後を送るために必要な生活費は月額約38万円が必要とされている。

 これらをまとめると、「老後」には最低生活費として17万円は必要であり、ゆとりある「老後」には月額30万円~40万円程度が必要となる。普通のサラリーマンが65歳で定年退職したとする。退職時に1000万円の貯蓄があるが退職金はこの不景気でなかったとすると、年金だけで夫婦2人の最低生活(月額34万円)はまかなえるが、ゆとりある「老後」(月額80万円)は3年ほどで底をつくことになる。幸い、独り身であったとしても6~7年で終わりとなる。

 そのような試算もしながら「老後」の生活設計もしないとなるまいが、何となくむなしい。団塊の世代が「老後」に突入し、ますます「老人」に対する社会保障は低下するであろうに。せめて「健康」と「生きがい」をよりどころに生きるのが賢明であろう。

 「生きがい」に関して、アスパラクラブの全国アンケートでリタイアした1869人に今の生きがいを尋ねたところ、「ない」と答えた人はわずか54人であったという。つまり、ほとんどの「老後」の人が楽しみや張り合いを持っていることになる。これには少し驚いた。

 「お金」はそこそこに生活設計の中でやりくりするとして、「生きがい」さえあれば、残りは「健康」である。「健康」だけは待ってはくれない。「老後」において「健康」が良い方向に向かうことはない。厄介なのは突然に破綻することがある。

 それでは少しでも「健康」を維持するためにはどうすればよいのか。食とも関係しよう、気持ちの持ちようにも関係しよう。無論、持病にも関係する。よく高齢のお年寄りに「健康に気をつけているのは何ですか?」とインタビューする。彼らの共通した答えは、粗食であること、菜食であること、悔やまないこと、なるようになる主義であること、のんきであることである。これに照らして自身を考えると、暴飲して気短い私はとても長生きできそうにない、結局、私には「生きがい」が頼りとなる。ただし、私は自分の中ではまだ「老後」ではない。
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