求む悪役!

 家庭においても、会社においても、野球チームにおいても、マンションの理事会であっても、子供会においても、どんな組織にでも役割分担というのがある。この役割分担には、どのような任務につくかという名のとおりの役割分担とは別に、「悪役(あくやく)」とその反対の「良役」(正式には悪役の反対語はないのでこう呼ぶ)に2分される役割分担が必要となる。

 家庭において子供の教育をするのに、「勉強をしなさい!」だのとガミガミ言うウルサ型の母親がいるとすれば、一方では、「いいじゃないか、少しは遊ばせてやれよ」という父親がいるのが理想である。この場合、母親が「悪役」であり、父親が「良役」である。両親ともガミガミ言えば子供はひるむし、両親とも寛大であれば子供は勉強しない怠け者になるであろう。

 会社においても、部下に厳しい課長や係長がいるとすれば、一方で優しい部長がいるというものである。厳しい部長がいるとすれば、どこかで社長がカバーするものである。そうすることによって、部下は手厳しい指摘を受けながらも、ひるむことなく矯正しつつ成長していくのである。

 野球チームでは鬼コーチがいるとチームは強くなる。鬼の血相でノックをしたり激を飛ばしたりするコーチの存在がチームを強くする。しかし、一方で厳しいだけでは選手はついてこないから、時々は監督や別のコーチが優しい言葉をかける。

 このように、「悪役」と「良役」の双方が組織にいることによって組織の構成員が成長し、相乗効果としてバランスがとれた組織を作ることができる。しかしながら、やむなく「悪役」と「良役」が構成できない組織の場合は、1人2役の難しい選択を余儀なくされる。

 夫と死別か離婚するかして母親1人で子供を育てる場合、母親は父親としての役割も担う。母親本来の優しさとともに、時には父親代わりの厳しさも伝えなくてはならない。父親1人で育てる場合もしかりである。しかし男の方がどちらかというと不器用なので、父親1人で育てることは難しいとされる。

 私の会社ような零細企業においては、人数が限られているから役割分担が難しい。誰しも悪者になりたくない。だから、互いに甘くなる。社長の私だって好んで悪者になりたくないが、誰も「悪役」になってくれないから、仕方なく私が「悪役」にならざるを得ない。人間、そんなに手のひらを返したような真似はできないから、「悪役」から「良役」への変身は難しい。すると、社員を褒める機会を失うことになる。これは組織として問題である。そうだ、私の会社に必要なのは「悪役」である。求む「悪役」!
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