父から娘へのメッセージ(その八)

 そんな仕事に明け暮れる娘だから、普通の結婚話は娘には縁がないと決めつけていた。その娘がそろそろ三十路に手が届きそうな頃、一人の男性を連れてきた。

 何でも既に同棲して長いという。娘の男性遍歴のすべてを父親が知るよしはない。しかし、これまで娘から紹介された男を含めて少なくとも四~五人はいたと思う。いえることは、男は少しずつでも進化していることである。娘のことだから、どうせ長続きしないだろう。もう二~三人もとっ換えれば、数段に良くなるのに。そんな思いもあった。

 「娘さんをいただきたいんですが」と、男はありきしの言葉を少しオドオドしながら発した。「もし嫌だって言ったら、どうする?」と、男に聞き直した。男は、いえとか、あのーとか、わけのわからない言葉で濁した。だったらと、「娘は我がままだから、言わんことないからやめといた方がええで.苦労するで」と、娘の目の前で男に忠告した。結局のところ、娘が決断したことに父親の私が反対するはずがないことを、娘が一番、承知していた。

 「ま、ちょっと恩着せがましくかっこつけただけだよ」、と最後は穏便に済ませた。しかし娘の旦那になる予定の男にこうも付け加えた。「もし嫌だって言ったら、どうする?って、さっき聞いたろう?そんな時、反対されても連れていきます、ってなぜ言えないのか!!」と。

 結婚して一年後、私の忠告どうり、二人は離婚した。



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