父から娘へのメッセージ(その六)

 自宅から私立の大学に通う娘に異変が起きたのは大学三年生の頃だったろうか。毎日の帰宅が深夜になり、ついには無断外泊の日々が続いた。その度に、理由を問う母親と干渉されたくない娘の対立が強まっていった。

 そんな日々が二~三ヶ月続いたろうか、ある日の深夜、帰宅した娘に言った。「こちらの生活リズムまで狂うので、頼むから出て行ってくれ」と。あたふたする母親を尻目に、娘は「わかりました」とだけ言い残してその夜は二階に上がった。

 さて、あくる朝、娘が重そうな荷物を二階から下げて降りてくるなり、いきなり、「長い間お世話になりました」と。家出にあたり娘にこう申し伝えた。「いいか。これからは自活するんだから親に遠慮する必要はない。何をやっても良い。ただし、売春と薬(やく)だけはするなよ」と。娘は「わかった」と答えて、淡々として玄関を出る。泣きすがり止めようとする母親がそこにいたのはいうまでもない。
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父は強し

これだけはっきり娘に引導を渡せる
父親も珍しいですね。
母親の狼狽ぶりが見えるようです。
投げかけた言葉がすごいです。
ほんとその通りですね。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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