父から息子へのメッセージ(その二)

 思えば、息子は小学校四年生の時から野球のリトルリーグの一員であった。今ほどサッカー熱がなかった当時、野球のリトルリーグは少年にとって最も盛んなスポーツであった。リトルリーグは野球に精通した地域の保護者が指導するチームであり、地域ごとにリーグ戦を組んで全国大会の出場を競った。学校のクラブと違うため、教育的指導から逸脱して、勝つことだけを目標とした。その一方で、自分の子をレギュラーにしたいという親のエゴが炸裂した。

 そんな中、六年生の卒業に伴うメンバー編成で、息子は背番号2の正捕手の背番号を獲得した。六年生直前の春季リーグで真新しい正捕手のユニホームを着た息子はハツラツとしていた。しかし、息子のハツラツした姿は長続きはしなかった。最初、元気のない息子を見て、練習がきついせいだと思った。が、ある日、久しぶりに試合を応援しに行ってその訳がわかった。息子は背番号2の正捕手の背番号を獲得しながら、六年生になった四月以降、一度もレギュラーで出ることはなかったのだ。息子に代わって、レギュラー捕手は背番号十一番の子であった。その子の父親が監督と親密なコーチであった。しかしながら、親のひいき目で考えてみても、息子より体が大きくガッツがあるその子の方が確かに正捕手として適任だと納得した。息子にとって不幸なのは、思わせぶりの正捕手の背番号を得たことだ。以来、息子の挫折の日々が始まった。
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