有識者

 政府は何かといえば有識者会議を開く。国でも地方でも、役所は自ら判断しかねる場合に、何かと有識者の指導をいただいてこいという。今時、あちらでもこちらでも「有識者」という言葉がひとり歩きしている。一体、「有識者」とは一体、誰のことを指すのだ。

 先日も、知り合いの会社が災害の調査・解析を実施してまとめたところ、国は有識者に最終判断をお願いしてこいと、注文されたという。つまり、有識者の「お墨付き」をもらってこいということだ。その会社にはそれ相応の技術力と資格があり、実際、担当した技術者も非常に優秀である。その彼が、有識者って誰ですかと国に尋ねたら、名の通った大学の先生だという。大学というところは専門的な研究をするところであり、今回のような自然災害を対象として対策も含めた総括的判断するには大学の先生では無理だと主張するが、聞き入れない。結局、全く専門外の大学の教授を、国は「有識者」に指名した。

 そういういきさつから、某国立大学の教授に「お墨付き」をもらいに行く段取りとなり、私に同行して欲しいという。私がその教授とは旧知の仲なので、仲を取り持つて欲しいという依頼のようだ。しかし、その教授は全く専門が違うのに大丈夫なのかと、疑問に思った。

 疑念をいだいたまま大学を訪問すると、その教授はいきなり、「やあやあ」と挨拶した後、列席者を目の前に「私はこの件については全くのど素人ですが・・・・」と、いきなり断りを言う、予想された展開となった。だったら最初から断れよ、と言いたかったが、そこは大人の対応をした。

 有識者とは専門的かつ高度な知識を有するものであることに間違いはない。しかし、それがなぜ大学の教授に絞られるのか。民間にも優秀な研究者や技術者が沢山いるのに、役所の連中はなぜに官を選択するのか。そもそも、「お墨付き」とはどういうことなのか。

 その根底理念を考えるに、そもそも役所には官尊民卑の精神が根強くあること。次に自らの保身をまず先に考えるためであろう。万一の不測の事態を招いたときに自らの責任を回避し、「お墨付き」という担保によって、金科玉条のごとくプライドを守る。それがお役所仕事である。それにしても、「有識者」という意味がわからない。
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はいっ!

これも私がずっと不思議に思っていたことなのです!

誰が決めるの?それで、この人たちの意見は絶対的なの?
専門分野ではない人間に「お墨付き」を?

どうにもわかりませんねぇ。

Re: はいっ!

おしゃれな猫さん、こんにちは。

> どうにもわかりませんねぇ。

でしょ?「有識者」の「識」とは「知識」ではなくて「常識」だと思うのですが。
だとすると、大学教授なぞは常識ありませんから。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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