義母との告別

 滅多にない郷里・宇部への出張。そのさなか、同じ宇部に住む義母が危篤状態で救急車に運ばれたとの知らせを受ける。折りしも、菅直人総理を励ます会が母校(宇部高校)同窓会有志で始まった直後の夕刻であった。とるものもとりあえず病院に駆けつけると、うろたえる義父とすでに息をひきとった義母がいた。享年、83歳。

 息子よりも娘たちよりも早く、私が一番に死に顔に対面することができた。生前、義母は子供たち以上に私を頼りにしていた。そんな義母が私を一番に呼んだのであろう。

 教員の義父を手助けする一方、義母は日本舞踊に一生をささげた。藤間流の名取であった義母にちなんで、栄華な晴れ舞台のパネル、扇子、衣装などをを式場に展示した。教室の生徒たちが式に列席し、しめやかに、つつがなく式を終えた。ただ、喪主である落ち込んだ義父のたどたどしい挨拶の姿が参列者の目を引いた。

 義母のただひとつ心残りは、無論、ひとり残された連れ添い、齢86歳の義父のことであろう。義母のこれまでの温情に報いるため、義父を見守り世話をすることが、残された遺族の仕事となる。
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謹んでお悔やみを申し上げます。

83歳・・・
まだまだお若いですね。
これからお義父さまを見守ることで
亡くなられた義母さまの心配を
取り除くことができますね。
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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