チリ落盤事故の反省

 先日、私はチリ落盤事故に関して、「チリ落盤事故の教訓」として記した。救出劇を祝すとともに、33人が奇跡的に救出された要因として、優秀なリーダーのもとに結束したこと、地上の家族との強い愛の絆があったことをあげた。そしてこの救出劇によって、我々は一人では生きていけないこと、愛なくしては生きていけないことを改めて教訓として学ぶことができたとした。しかしその後の報道を見聞きするに、祝福の延長線にとどまるばかりでなので、ここにあえて苦言を呈することにした。

 奇跡的に救出された33人はその後もヒーロー(英雄)としてもてはやされ、高額の報酬を餌に出版や映画の話までとりざたされている始末である。しかし、ここではっきり言っておく。彼ら33人はヒーローでも何でもない。鉱山事故のただの被害者である。奇跡的に彼らは救出されたが、本来であれば地下に埋没されたままの死亡者である。また彼らを救うのに、おそらく33人の生涯給与以上の莫大な費用がかかっているのも事実である。

 33人の生存が確認された以上、どのような代償を払っても彼らを救出することが優先されることは無論である。しかし救出された今、この事故が人災であることを明確にして、総括しなければならないのではないのか。事故発生の何ケ月前にも同じ鉱山で事故死亡者が出ている他、同じ鉱山で過去に何度も事故が繰り返され、その都度、安全上の問題も指摘された鉱山である。それなのに、ヒーローとしてもてはやし手放しで喜んでよいものか。まして、チリ大統領までもヒーローのおすそ分けをいただいている様子は容認し難い。チリ大統領や鉱山責任者は、救出を祝う前に、事故が発生したことに対してまず陳謝すべきである。それが筋というものではないか。

 中国では昨日も炭鉱事故があり、26人が死亡、11人がいまだに坑内に取り残されている。そして、中国では毎月のように炭鉱事故による死者が出ている。この現実とチリの救出劇の違いは何なのか。いずれも人災である。世界における人災による事故被害をなくすために、救出劇に酔いしれている余裕はないはずである。
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No title

>彼ら33人はヒーローでも何でもない

まったくそのとおりですね。
救出されたあとにも
それぞれにドラマがあるようですけれど
金銭的なことが絡むと少し目をそらしたくなります。

事故が起きたことの原因究明など
雇用主も大統領もやることが山積しているはずなのに
ヘンですね。

No title

おはようございます。

拍手を何度もしたい気持ちになりました。
「良かった」と言ったすぐその後に、私も同じように思いましたから。

確かに家族の愛(家族ではない人もいましたが・・)は美しいもので、、被害者の方たちは世界中の注目の的になりました。
事故の背景は後から明らかになる傾向にありますが、今までのお粗末さがそれ以上に表に出てしまうものです。

Re: No title

しあわせさがしさん、その後、お元気ですか。
コメントありがとうございます。
山猫こと磯崎さんと個人メールやりとりしてます。
まだまだ、しあわせさがしが続きそうですね。
のんびりと、たおやかに、自然にまかせて。
そうでないとくたびれてしまいますよ。
では、また。

Re: No title

おしゃれな猫さん、おはようございます。

> 拍手を何度もしたい気持ちになりました。

ありがとう。
そう言っていただくと嬉しいです。
いつも報道を裏からみる変わり者ですが、
これからもよろしくです!
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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