ノーベル平和賞の陽と陰

 中国は、今年のノーベル平和賞候補であった劉暁波に賞を与えないよう、ノルウェーの委員会に事前に圧力を加えた。それにも屈せず、委員会は獄中の彼にノーベル平和賞を与えた。これに対して、中国は猛反発している。受賞に関連する情報を遮断し、昨日はノルウェー漁業相との会談を拒否している。

 ノーベル平和賞をめぐっては、過去にも同じ例があった。1935年、ドイツのジャーナリストで平和運動家であった獄中のカール・フォン・オシエツキーへの授与である。全体主義に抗する言論人の受賞は、ヒトラーを激怒させた。ナチスは腹いせにノルウェーを占領したとき、委員を全員逮捕したという。

 ノーベル平和賞は時とともに、インパクトある平和のメッセージを世界に発信している。一方では、将来の世界の平和に寄与した人に対する賞賛である。昨年のオバマ大統領、2007年のゴア、1979年のマザーテレサなどがそうであろう。

 他方、平和と逆の行動に対して警笛もする。人権運動家の国による拘束に対して指導する。今年の例がしかりである。前述した1935年のカール・フォン・オシエツキーに限らず、1991年のアウンサンスーチー、1989年のダライラマがそうである。こうしたノーベル委員会の勇気を賞賛したい。同時にそのメッセージ性を素直に評価したい。

 今回のノーベル平和賞に関して言うと、世界が中国を民主の道に引きこもうとする強いメッセージが感じられる。劉暁波さんの妻・劉霞さんは「国は夫のたった1本のペンを怖がっている」と語っている。中国は古きに多くの賢人を輩出している。その賢人に見習うがよい。魯迅は「希望とは地上の道のようなもの」と述べている。もともと地上には道はない。歩く人が多くなればそれが道になる。中国民衆と政府が歩みゆく道を世界は凝視している。
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