「消えた老人」問題

 去る7月末に東京で111歳とされる老人が遺体で発見された。この事件をきっかけに調査した結果、所在不明の高齢者が1000人以上いることが判明した。住民票や戸籍を通した生死情報の把握が予想外に不確実であることを知らしめた、所謂「消えた老人」問題である。この問題には、年金問題に関わる問題と国としての生死の係わりの問題の、ふたつの問題があるように思う。

 高齢化した福祉国家における福祉の拡充といういう意味で、住民情報の正確な把握は重要である。まして、それが年金という大きな財源にかかわる問題となればなおさらである。年金詐欺を防ぐためには社会保障番号制の導入は避けられないだろう。ただ、日本の行政による国民補足率はほんとうに低いのかという疑問は残る。

 他方、国として個人の生死にどうかかわるかについてはいろいろの意見がある。国からの管理はルーズなところがあった方が良いという考え方も広がっている。その考えの根源は、福祉は国家よりも家族や企業、地域などが担うべきだという共同体主義的な思想に基づく。日本的なこの伝統を評価する専門家もいる。そこから離脱した老人が孤独死したとしても、国が介入すべきでないという考え方もでてくる。私もその考え方に近い。せめて、死に方くらい自由にさせたらどうかと思う。さて、みなさんはどう思うであろうか。
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