世論とネット世論

 世論調査とは、無作為抽出という手段を使って民意を目に見える数字で表すものであり、一言でいえば、社会全体の意見分布といえる。現在ではほぼ定着したこの世論調査による「世論」に対して、近年、「ネット世論」なるものが台頭してきた。

 最近の例で言うと、民主党代表選において小沢人気がネット世論として波紋を呼んだ。ジャーナリストや評論家が適切な根拠を示さずに、「ネットではどうやら小沢さんが人気らしいと」と発言したことに端を発する。小沢さん自身も選挙中、ネットなどで私を支持してくれていると主張している。そして、噂が噂を呼び、ネット上で小沢人気なるものが爆発した。

 この「ネット世論」なるもの、例えば、菅さんと小沢さんのどちらを支持するかクリックしてというネット上の人気投票であるが、これは民意に程遠く、あくまでも限られた少数意見である。第一に、ネット上で人気投票する人は概して若者である。同一人物が何回も参加できる。さらに、一方の意見に傾きがちであるからである。もっと言うならば、「ネット世論」なるものの実態は、ごく一部の人がネットの片隅で大声をあげているだけなのである。

 無論、現在の世論調査はサンプル数、調査方法などの点で完璧なものとはいえない。しかしながら、世論調査は統計学に基づいたサンプル数、サンプル方法などを採用した科学的手法であり、民意を反映する上で現時点では最良の方法といえる。報道機関各社の世論調査結果に大きな違いがないこと、選挙の出口調査においてもほぼ予想どおりという実績がそれを証明する。すなわち、政治、あるいは日本のあり方を考える指標としては、現状では報道機関などが行っている世論調査しかないと考える。

 問題なのは、民意を反映するこの世論調査による「世論」が「ネット世論」によって犯されかねないということである。この点に関して、ジャーナリストや評論家、メデイアは肝に銘じて発言してもらいたい。

 正しくない言説を広めて一部に有利な状況に導く行為は、あらゆる社会的な決定を非効率的にする。
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No title

はじめまして、rippleと申します。
新聞の世論調査は違いはあっても大体当たってますね。
たしかにネット人口はまだまだであまり信用できません。
中国で騒いだといっても、あの巨大な国のどれほどの人
がインターネットを使えるというのでしょう。

そういえば、来月から国勢調査が始まりますね。
妻が5回やりましたが、個人情報うんぬんでやりにくく
なりました。(^-^)
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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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