働き方いろいろ






 サラリーマン時代、入社と同時に否応なしに労働組合員になった。それも束の間、1年後に組合員を脱退した。組合幹部がスト破りをしたのに嫌気が差したのがきっかけだが、そもそも労働組合のあり方に疑問を抱いていた。会社の発展のために経営者も組合員もなかろうと。会社が儲からなくちゃ、賃金もへったくれもなかろうと。


 そんなことから、春闘においては若い頃から経営者側に身を置き労働組合幹部と対峙したわけだが、労働組合員よりも私の方がむしろ組合的な考え方をしていた。兎にも角にも、仕事が好きな集団であり、その後、組合は自然消滅した。以来、会社に残業という概念がなくなり、ひとりひとりの能力と将来性をもとにした年俸制となり、フレックス制度やコアタイムをいち早く導入した。


 そんな長年のサラリーマン生活を終え、起業した後も仕事に時間の縛りを感じないでいる。さて、春闘のこの時期、定期昇給を要求しそれに答える昔ながらの労使の姿を今なお見るにつれ、情けない気がするとともに、働き方の改革が遅々として進んでいないことを感じる。そればかりか、今の政府は、「働き方改革」と称して残業時間を制限する法案を作ったり、会社経営者に賃上げを要求したりする始末。国から指示されて、なよなよそれを受ける日本経済団体連合会の姿勢もお粗末。きっと、土光氏が天国から喝を放っているだろう。


 そもそも、すべての人が残業が少なく家庭を大切にしたいであろうと考えるのが大間違いである。生活のためにできるだけ残業代を増やしたい人もいるだろう。私のように家庭を顧みず、金に関係なく、できるだけ良い仕事をしたい人もいる。能力のない人まで賃上げすれば、能力ある人には不公平になることもある。残業という概念が相当なのは、ベルトコンベヤーで運ばれる製品の組み立てなど限られている。長時間会社にいても生産性が上がらない人もいれば、家にいても糞をしてても良いアイデアを出す人もいる。同一労働同一賃金というのもおかしい。賃金が安くても、人間関係や時間の問題からパートや派遣を自らの意思で選択している人もいる。きっとパートや派遣社員は正社員になりたいと思っているに違いないと考える、そのこと自体が間違いなのだ。


 つまりは、人生いろいろ、働き方もいろいろなのである。こうだと決めてかかってはいかん。世の中には選択肢が多ければ多いほどいい。人によっていろいろな働き方のバリエーションがあって、それを選択できる世にしなければいかん。ましてや、官製談合の如く、国が企業に賃上げを要求したり、残業を少なくするよう指示したりは、全くもって言語道断である。国にとやかく言われなくとも、人も企業も知恵を出し、自分たちで苦労し改善して、進化していく。それこそが、真の成長というものである。働き方いろいろ。ともかく私は、国がどう言おうが他人にどう言われようが、好きな仕事を生涯続けたいのだ。




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Alternative Facts






 今、我々の身の廻りには真実でない情報が氾濫している。牛乳は体に害である、東南海地震が近々起きる。インフルエンザ予防接種は効果がない、日本はほんとうは借金していないなど。最近話題の塩水洗浄などは、命に関わる典型的な嘘の情報である。そのソースの多くが知識階級または名が売れた組織によるSNSであるから、騙され易いことこの上ない。「実際はこうなのだ」という常識を覆すセンセーショナルな嘘の情報を流すと、すぐさま知識階級の民衆が飛びつき、それを自身の手柄のように拡散する。すると、その情報が定説に変身するのである。


 身の廻りにとどまらず、情報操作によって予期せぬ新しい政権が生まれ、真実でない数字でもって政権武装され、嘘の数字がひとり歩きするなど、真実でない情報が世界を支配しようとしている。そして、それは真実ではないのではと問い正すと、「Alternative Facts」という言葉まで編み出す。「別の真実」あるいは「代替真実」と訳されようか。これもまた言葉による嘘である。


 氾濫する情報のほとんどが真実ではないと思えばいい訳であるが、それを検証しようとすると、嘘の情報が検索される。もはやSNSは歯止めのない嘘の氾濫源となっている。SNS自身にチェック機能や真実評価システムなどの導入が求められる訳であるが、当面は民衆ひとりひとりが安易に情報に飛びつかない、疑ってかかるなどの心構えが必要である。


 真実はひとつかも知れないし、複数かも知れない。ただ真実ではないものは嘘である。その嘘の情報が大半であることを肝に命じる必要がある。頼りになるのは自身であり、自身による多角的な検証しかない。この情報社会に生きる人間の知恵がまた試されようとしている。





落日を見たり





 まるで西部劇の悪保安官を髣髴させる立ち振る舞い。顔を真っ赤にして暴言を吐くさまは、凶暴なマントヒヒのボスのようでもある。彼が発する言葉は短絡的であり、感情的であり、いかほどの知慮も垣間見れない。そればかりか、国家にしろ個人にしろ、相手見境なしに名指しで挑発し、攻撃する。自分の主張に従わないものを誹謗中傷し、切り捨てる。その言動はあまりに稚拙であり、狂乱である。


 ある人は、彼の言動を計算づくのものだと評する。しかし、そうではない。なぜなら、そうすることで彼が得るのは選挙で得た狂った支持者を食い留めることしか過ぎないからである。もはや彼は単なる無知な狂乱者と言わざるを得ない。


 いろんな人種が坩堝するアメリカにおいて、ひとりやふたり彼のような時代錯誤の馬鹿者が出てきたとて不思議なことではない。問題は彼を大統領に選んだ国民にある。イギリス国民がEU離脱を選択したとき、イギリス国民の浅はかさに驚いた。しかしアメリカ大統領に彼が選択された瞬間、アメリカが潰えた。


 民主主義を掲げ、その樹立のための歴史的な血と汗を積み上げてきた過去は一体、何だったのか。もしアメリカ人に一粒の良識の魂が残されているなら、今こそ彼を糾弾し、降ろさせよ。その代償として、大混乱を招くのは必至であろう。それでも立ち上がるべきである。勇気をもって「NO」と言うべきである。弾劾でもなんでも良い。あらゆる手段を講じて、今こそ、自由と民主主義を奪還すべきである。



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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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