牛乳は万能薬か毒か







 一般に物の見方には相反するものが存在する。それはもはや世の趨勢であるが、日常生活に深く関わりないことであれば、気にしないでやり過ごせる。しかし、日常生活に深く関わること、とりわけ口にする食品と健康については多くの人が関心を寄せる。


 しかし、その食品と健康に関しても真逆の意見が多く氾濫し、多くの人を悩ませている。その典型が、「牛乳は万能薬である」という意見と「牛乳は毒である」という相反する意見である。この牛乳と健康の問題を例に相反する意見の論点を整理し、我々はそれにどう対処したらいいのか考えてみた。なお、記述は関連する論文および記事から引用したが、出典については割愛していただく。


 まず、正論ともいえる「牛乳は万能薬である」あるいは「牛乳は健康によい」という意見である。“正論ともいえる”と記したのは、我々は小さい頃から牛乳を飲み、それが良いことだと信じてきたからである。この意見の理由をまとめると、概ね以下のとおりである。


体に良い理由① 基本栄養素
 牛乳は約87.4%が水分、たんぱく質が約3.3%、脂肪が約3.9%であり、残りの約5.4%がビタミンとミネラルなどからできていて、人間が必要とされるほとんどの栄養素を含んでいる。また、牛乳はカルシウムが豊富であり、牛乳を飲むと骨が丈夫になる。

体に良い理由② 乳糖の効果
 乳糖は乳幼児の発育にとって大きな関わりのある栄養素である。乳糖は体を支えるエネルギー源として、人間の脳や神経の発達に不可欠である。また、カルシウムや鉄分の吸収を促進したり、体温の維持や腸内の乳酸菌の管理を行う。

体に良い理由③ ビタミン補給源
 手軽に飲める牛乳はビタミンの補給源として役に立つ。

体に良い理由④ 改善効果
 牛乳を飲むことで、肩こり、胃痛、胸焼け、貧血、風邪、不眠などの改善効果があるという。

体に良い理由⑤ 死亡率を下げ寿命が長くなる
 この意見の元になっているのは、「アンチエイジング・バトル最終決着」の著者である坪井一男(慶応大学医学部教授)さんの論文です。全国10万世帯の牛乳摂取量とその地域の死亡率の関連を調査した結果、牛乳を飲む人のほうが寿命が長いという研究結果である。

体に良い理由⑥ 尿酸値を下げる
「尿酸=悪いもの」ではない。尿酸は本来、抗酸化力が高く体内の炎症を抑える大切な物質なのです。ただし尿酸が尿と一緒に排泄されにくくなり体内に蓄積すると、結晶に変化して骨にこびりつき痛風発作という痛みが起きる。1日にコップ1杯の牛乳を飲むだけで痛風の発症率が43%ダウンしたというデータもある(出典:「ためしてガッテン」過去放送)。


 これに対して、「牛乳は毒である」あるいは「牛乳は健康によくない」という意見の理由をまとめると、以下のとおりである。

体に悪い理由① 原理的な問題
牛乳の原料は牛の血液である。したがって、牛乳を飲むということは、違う生き物である牛の血液が人の血液に混ざってしまうことになる。輸血と違ってすぐに症状が出ることはないが、毎日牛乳を飲むことで徐々に体に影響が出てくるといわれている。地球上の生き物で、大人になっても牛乳を飲んでいるのは人間だけであり、自然界ではとても不思議なことと言われている。

体に悪い理由② 異種タンパク質
 牛乳を飲むということは、体内に人間のタンパク質と組成が違う異種タンパク質を入れることになる。異種タンパク質はそのままでは吸収できないので、アミノ酸に分解して無毒化し、人間と同じ組成に作り変えた上で体内に吸収される。つまり、動物性食品でタンパク質を摂取した場合は体への負担となる。

体に悪い理由③ 乳糖(ラクトース)
 牛乳は、日本人の体に合わない食品と言われている。牛乳を飲むとお腹がゴロゴロする、下痢をするという症状は、乳糖(ラクトース)が原因とされている。乳糖(ラクトース)を分解するにはラクターゼという酵素が必要だが、酵素を体内で作れる日本人は10%程度であり、このことが、牛乳は日本人の体に合わない食品と言われる所以である。

体に悪い理由④ 高カロリー
 牛乳はカロリーが高く、乳製品の摂取による糖尿病や前立腺癌などの因果関係が報告されているようです。また牛乳には飽和脂肪が多く含まれていて、その量は牛乳1本でフライドポテトと同じくらいとされている。

体に悪い理由⑤ 化学物質
 牛乳を良く演出するため、商業用の牛乳には成長ホルモンや抗生物質など大量の化学物質が含まれていると言われている。

体に悪い理由⑥ アレルギーの要因
 牛優はピーナッツに次いでアレルギーを引き起こす要因とされていて、日本人のアレルギー患者の約45%が牛乳アレルギーと推定される。牛乳の種類に関係なく、すべての牛乳には59種類のホルモンが含まれていて、アレルギー反応の要因になっているとも言われている。そして、「牛乳は骨粗鬆症を招く」「給食の牛乳によってアトピー性皮膚炎になった」「花粉症になった」などの意見もある。昭和33年に学校給食に牛乳が取り入れられ、数年後からアレルギー、アトピー、喘息が急に増え始めた。

体に悪い理由⑦ 牛乳は骨を弱める
牛乳に含まれるカルシウムは仔牛向けなので、分子が大きく人間には吸収され難い。それどころか、牛乳にはリンが多く含まれる(母乳の6倍)ため、骨のカルシウムは溶け出し、リン酸カルシウムとなって体外に排泄される。したがって、牛乳を飲めば飲むほど体内のカルシウムが減少する。また、牛乳の飲み過ぎによりカルシウムが奪われ虫歯になり易くなる。牛乳を毎日飲んでいるアメリカ、スウエーデン、デンマーク、フィンランドで股間節骨折と骨粗鬆症が多いのは牛乳の摂り過ぎが原因だと考えられている。昔の日本人は牛乳を飲む習慣がなかったので、骨粗鬆症はなかったとも言われている。骨量測定調査によると、牛乳をたくさん飲む人ほど骨量が少ないことが証明されているという。



 以上の「牛乳は体に良い派」と「牛乳は体に悪い派」の理由を吟味すると、理由が曖昧なものが多い。“--------と言われている”、“--------という”という表現そのものが根拠が明確でないことを示す。また、「牛乳は体に良い派」の「これこれの栄養素が含まれているから体によい」というのは単純すぎるし、「改善効果や寿命が長い」についてもデータの信憑性に欠ける。また「牛乳は体に悪い派」の原理的問題についても、なぜそうなのかという科学的論拠が示されていない。結局のところ、「牛乳は体に良い派」と「牛乳は体に悪い派」の相反する論点は、「カルシウムの効果」に関してである。「牛乳は体に良い派」の“牛乳はカルシウムが豊富であるから骨が丈夫になる”とは単純すぎるので、「牛乳は体に悪い派」の方が説得力がある。




牛乳2




 以上の例のように、相反する意見を目の当たりにしたとき、その論点を整理し、不確実性や信憑性を吟味すれば、相反する意見の根源がどこにあるのかが見えてくる。また、あまりに一方的な物の見方にも注意したい。牛乳の件についても、牛乳が体に良いと宣伝して日本に定着させた理由として、アメリカの畜産農家を守るための政治的圧力だと主張する医師もいるが、それとて、一方的な物の見方であり、それであればその論拠を示さなければならない。


 「牛乳は万能薬である」も「牛乳は毒である」も、どちらも極論と言える。食品に関しては、妄信して極端に過度な摂取をしないこと、いろいろなものをバランス良く摂取すること、そして何より、体に良いものを摂取することより体に悪いものを摂取しないことに限る。そして人の意見を鵜呑みにしないで自身で苦労して調べることが大切である。ちなみに牛乳に関して、私はあまり体に合わないので飲んでいない。代わりに、大人の粉ミルクを通販で購入して飲んでいる。




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つばめの話






 広島市内に「つばめ交通」という老舗のタクシー会社がある。広い車庫に何十台ものタクシーが納まり、そこから頻繁に出たり入ったりする。その車庫に今年もつばめ一号がやってきたそうな。毎年、車庫のあちこちに巣を作り、子作りに精をだす。巣から藁が落ち、糞が落ち、直下の商売物の大切な車を汚す。汚しては洗車し、洗車しては汚すことを、何十年も繰り返していると言う。それはそれは途方も暮れるような洗車の作業なのだが、「つばめ交通」の繁栄はつばめのお陰と、会社は洗車を厭わない。その話を聞いて、できるだけ「つばめ交通」に乗るようにしている。



つばめ交通



 同じく、わが家のガレージにも毎年、つばめが巣を作る。昨年は風が強くて、作っては落っこち、貼っては剥がれ、最後まで不完全な巣となり、今もその残骸を残す。別の場所に新たに作ればよかろうものを、毎年、同じ場所に作る。残骸の上に作ると剥がれやすくなる。だから、つばめ一号がやってくる前に残骸を除去して、巣作りの準備しておかねば。


ツバメ


 どういう訳か、つばめは毎年、同じ場所に巣を作ろうとする。雨よけ、風通し、湿度や温度、壁の凹凸や材料の調達などの巣作り環境に加えて、家主の人柄も配慮しているのだろうか。ほんとうのことは、つばめに聞いてみなければわからない。タクシー会社と同様、巣の直下にある愛車の洗車を頻繁に行う季節になった。


 話変わって、広島市内に「つばめ」というラーメン屋がある。醤油とんこつの広島ラーメンの店はどこも美味しいが、とりわけ「つばめ」は一押し。いつ行っても満席。なんでも、麺がなくなり次第閉店という。美味しい店にはタクシーやダンプのドライバーが集う。当然、「つばめ交通」のドライバーも見かける。この店のオーナー、麺一筋でつばめ御殿を建てたと聞く。


つばめラーメン


 つばめに纏わる言い伝えは全国にある。「つばめが三度巣をかけると千万長者になる」(愛知)、「つばめは火事を出す家には巣作りしない」(秋田、山形、山口)、「つばめが巣をかける家は縁起が良い」(千葉、新潟、愛媛)、「つばめは田の神様を負うてくる」(広島)などなど。いずれにしても縁起の良いつばめを今年も迎える季節になった。




風が運ぶしあわせの花





そういえば、玄関先にカラの植木鉢をひとつ置いていた。その鉢に1本の雑草が生えていた。

日照り続きの猛暑のあと、風台風が到来して数日後の朝のこと。

気にも留めずに放置してさらに数日後、鉢の雑草がムクムクと背を伸ばし、特徴的な細い葉を備えた立派な茎に成長していた。

よくみると茎の先端につぼみがある。そして明くる日、なんと黄色い花1輪が咲いた。



ケフナ




なんという名の花だろうと、フェイスブックに問いかけた。

間髪入れずに、お友だちのお花の先生から「ケフナでないかしら」と返答があった。

聞き慣れないこの名を早速調べたら、そのとおり「ケフナ」であった。


この「ケフナ」、アオイ科ハイビスカス属の一年草で別名をホワイトハイビスカスと呼ばれているそうな。

もともと西アフリカ原産と言われており、古くはエジプトのミイラの包帯にも使われた植物という。

皮の部分、芯の部分が全て紙の原料として利用できる最適な非木材資源とされているそう。

二酸化炭素の増加を抑えて土中の窒素やリンを吸収する環境浄化能力に優れた性質を有するという。


わが家に飛来した「ケフナ」は毎朝1輪、ハイビスカス風の黄色い花を開花し、夕方には閉じた。

そして明くる日、別の1輪が開花する。それを繰り返すこと2週間、ついに「ケフナ」の開花は終わった。


どこから飛んできたものかわからない。おそらく台風の風が運んできたものだろう。

それも、よりによって格好のカラの植木鉢に。

成長がすこぶる早く、惜しみなく1輪咲いては閉じる、その咲きっぷりは見事であった。

なんだか不思議な気がする。秋到来を知らせる台風の贈り物が教えてくれる。

「ケフナ」のように、強く、逞しく、真っ直ぐに、潔く生きなさいと。



ラブドール的心






 言うことなすこと熱し易い私は、どうやら寝てても熱いらしい。確かに夢の中で叫んだり、ときには怒鳴ったりすることもあるが、そのストレスが就寝中の身体を蝕んでいたようだ。


 歯医者に言わすと、就寝中のストレスや踏ん張りで、歯を強く噛み過ぎるのだと。奥歯が痛いのは、噛みすぎて歯が砕けがちなのが原因だと言う。対策としてマウスピースを付けて寝ればいいのだが、それはそれで気になって寝れない。そこで、せめて仰向けではなく横になって寝ることを推奨された。


 スマホのアプリで就寝中の睡眠状態を調べた。すると、ほとんど毎日、無呼吸状態が観察されて熟睡度は浅い。無呼吸状態は長いときでは1分間以上続く。下手すると、ある日突然お陀仏の危機にあった。内科医に言わすと、いろいろ治療法はあるがどうせ聞きゃしないからと、せめて仰向けではなく横に寝て気道を確保しなさいと進言された。


 そもそも、真っ暗な部屋の中で仰向けに寝なきゃ寝れない習慣が身についている。どうすりゃ横向きに寝れるか。あれこれ検索の結果、このグッズに行き着いた。







抱き枕






 このピンク色の怪しい物体は、ダッチワイフではない。ダッチワイフを進化させたシリコン製のラブドールでもない。ただの抱き枕なのです。楽天から2000円で購入。これを抱いて、あるいは背中に置いて、横向き就寝の補助グッズにしようと。少々、太っとくて持て余していますが、何とか横向き就寝を確保。邪魔になれば足元に置いて足を乗せればそれも良し。毎日、このピンク色のグッズを抱いて寝る怪しい夜を過ごしています。そりゃグッズでなくて生身を抱えて横向き就寝できれば、それに越したことはないのですが。




RUN





 演歌好きの私でも、ときどきカラオケで歌う長渕剛の『RUN』。そこには、正直者でありながら臆病者でもある人物像が描かれている。それと比較して私はといえば、負けない位に臆病者ではあるが、さほど正直者とは言えない。おまけに負けず嫌いときているから、それこそ質(たち)が悪い。
 

 例えば、好きな球団の試合をテレビ観戦していて負けそうになると、見るのが怖くてとっさに消したりする。不甲斐ない負け方をしようものなら、当分、応援もしない。もうどうでもいいと自分を精一杯繕いながら、煮えたぎる悔しさを思う存分腹に収める。


 そんなのは本当のファンじゃないって責められる。でもね、あんたの息子か孫が甲子園に出ていて、打席の瞬間、あなた、まともに見れますか?タイムリーでなくてもいい、ファインプレーでなくてもいい。せめて三振しないで、せめて落球しないでと願う、それが愛ではないですか。


 人と待ち合わせすると、ほとんど30分前には着く。え~と、駅までの徒歩の時間が何分で、もし電車がすぐ来なかったりとか、仮に電車が遅れたりとか、いろいろと不安定要素を水増しする。


 公衆浴場で体を洗うとき、シャボンやシャワーが隣に跳ねないか気にしする。隣のシャボンがこちらに溢れ出ていつも嫌な思いをする。溢れる隣からのシャボンを、相手方に気づかれないようにシャワーでそっと払い除ける。


 日常においてもすべからくこうだから、仕事においてはもっとシビアになる。工期が厳しい大きなプロジェクトになると、無理してでもできるだけ前倒しして工期のせめて数日前に仕上げることを目標にする。その目標を達成するためには斯く斯く然然と工程を練り、工程はいつも前倒しに行う。どこでつまずき、どこで体の具合が悪くならないとも限らないから。


 こういった行動について、慎重派だとか堅実派だとか言う肯定的な意見を頂戴することもあるが、要するに、私はただの臆病者なのです。


 ただね、この臆病者の私は私であり、この歳でおいそれと性格が変われるものではないのです。そして行くつくところ、冒頭の長渕剛の『RUN』に繋がるのです。そんなことを悩んでいないで走りなさいと。RUN 、RUNら、 RUN 、RUNら~、 RUN~RUNら RUN、RUN~・・・・・・・・。結論を求めているから悩むのであって、もともと結論はないのだ。そんなことより、とにかく走れと、自分を言い聞かせるのです。





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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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