ふるさと納税拒否症候群






 そもそも納税というものは、自分が住んでいてお世話になっている地域、起業して利益を得ている地域へ、その恩返しとして収めるのが筋です。ふるさと納税の趣旨を鑑みて少し緩めに考えてみれば、自分が育った地域やお世話になった地域、思い出の地域にお礼の意味から納税する、これもありかも知れません。


 しかしなんですね、何とか牛とか何とかフルーツ、はたまた温泉旅行付きとか、ありとあらゆる手段でふるさと納税を自治体が企画して、目ざとくそれに呼応する国民がいて、あぁ、得のためならなんだってあるんだと、悲しい気持ちになります。


 いえね、そういう私もそれに同調して興じたい気持ちがなくはないですよ。ただね、それが過ぎれればどうなるのでしょ。企画力が優れた目ざとい過疎地にそぐわない巨大なドームが建てられて住民税が安くなり、反対に名産品が少ない都市では自治運営が破綻するということになるのは必定でしょう。自治体運営というものを、国が手のひらで遊んでいるように思えてなりません。


 なんでもお金が動けば経済が闊達になるという考え方は、いかにもあさましく、所詮は姑息なやりかたであり、経済の風上に置けません。物事には筋と道理があり、それによって国や地方の自治や安全が守られていると考えますが、どうでしょう。こんな硬いことを言うから煙たがられるのかも知れませんなぁ。



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ポケモン現象







 幻の偶像を追い求めて、まるで夢遊病者のごとく人が行き交い、集う。人はみなうつむいたまま、無口に、気ままな方向に。人と人が交錯しながら、ときに接触しながら歩む。所かまわず、時間かまわず、意味もなく、ただただひたすら歩き進む。


 ポケモンGO現象の象徴ともいえるこの情景に、なんとも世紀末を目の当たりにしたように感じる。現実の人生に夢を追い求めるわけでもなく、現実の課題に果敢に挑戦するわけでもない。ただただ現実から逃避し、貴重な時間の多くを虚偶という罠に興じる者たちを見て、呆れる気持ちを通り越し、腹立たしくもあり、嘆かわしくもある。


 私は他人の趣味嗜好に一言の文句もつけるつもりはない。勝手といえば、人の勝手。とやかく言う筋合いはないし、ましてや、いい悪いの議論を起こすつもりもない。だから、あえてこれを容認した上で言おう。他人に迷惑かける行為に対する責任の所在を明確にして、罰則を規せよと。そして、それによって生じる本人の被害に情けは無用だと。


 広島や長崎の平和記念公園や原発敷地内、その他重要な公共施設などにポケモンが現れないよう、関係各機関が開発会社に要請したと言う。そもそも開発時点で混乱や事件に繋がりかねないことは十分に予見できた筈である。なのに、開発会社や販売会社に社会的責任はないのか、それを罰する規範はないのか、はなはだ疑問である。


 鳥取砂丘でゲームに興じる人に、熱中症に気をつけてくださいとアナウンスされているとか。これって、必要でしょうか。意地悪なようですが、熱中症になればいいし、街の中で電柱にぶつかって怪我をすればいいと思うのですが。日本という国はどこまでお人よしなのかと、つくづく思う、自称、ゲルマン系日本人であります。




入学の季節に思う







 朝駆け、夜なべが続いた3月の繁忙期を過ぎ、今はぽっかりと穴が開いたような空虚な時を過ごしている。気がつけば、いつの間にか春の装いとなり、桜が開花し、世の中は新しい年度を迎えて準備が進んでいる。


 娘の休日勤務に合わせて、わが家でお泊り保育を続けてきた孫娘も6歳となり、ようやく保育園を卒園し4月から小学生となる。それに合わせて、ランドセルや学習机、制服と準備してやったが、これらがどれもこれも随分と高価なのに驚いた。


 例えば制服は安いものでも3万円代、高いものになると8万円代である。オーストラリアやニニュージーランドから輸入した生地を、丈夫で長持ちさせるため国内で丁寧に縫製するから高価になるらしい。その制服が買えない人が多いため、地域によっては使い古したものを新品同様に再生して新品の半値以下で売っていて、これがすこぶる盛況なのだ。


 小学校の新1年生は学問の最初の門出。制服にしてもランドセルにしても、せめて新1年生にはみなに等しく与えたいと切に思う。制服もランドセルも買ってもらえなかったわが身だからこそ余計にそう思うのかも知れない。今時の若い夫婦は共働きが普通であり、シングルマザーも多い。四苦八苦の生活の中でも、わが子の門出を祝ってやりたいのは誰も同じ。みなに等しく祝ってやれる仕組みはないものか。


 先日、待機児童に関するSNSの投稿が世間で話題となり、国会でも取り上げられていた。投稿記事は短絡で乱暴すぎる表現であるが、その気持ちは痛いほどわかる。一億総活躍社会の実現のためには、まず働く女性のサポートが第一ではないのか。東京オリンピックも北海道新幹線もそれはそれでいい。新国立競技場建設費を少し削るだけで、待機児童の問題は解消され、新1年生への制服とランドセルの無償配布が実現するのに。一億総活躍社会の実現というスローガンは一体、、何なのか。




今、広島が燃える







 今、広島の街が燃えている。真っ赤に燃えるカープのユニホームが街に溢れ、青のイメージカラーのローソンだってマツダスタジアム周辺では赤に変身。Jリーグのサンフレッチェは現在、優勝目前、早くも優勝パレードの準備が進む。広島駅周辺の再開発が急ピッチで進み、広島市内や宮島を訪れる外国人観光客の増加が著しい。しかし、こうした活況を支える人の心と組織があることを忘れてはならない。

 広島に一風変わった組織がある。その名は「郷心会」という。マツダ、広島銀行、中国電力、広島ガスなどの県内有力企業が名を連ねる。郷心会の最大の目的はマツダ車の販売拡大にある。そのマツダ車は本年度、新型デミオのデビューが好調であり、今やその技術は世界のトヨタも秋波を送る存在となっている。




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(写真はマツダのCMページから引用。ちなみに私も1台購入しました。)




 郷心会の設立は、オイルショックの影響でマツダ(当時の東洋工業)が窮地に陥り、広島の街全体が低迷した時期である。広島商工会議所が発起人となってマツダ車の買い支えに躍起となり、そうすることこそが広島の街を盛りたてる方策だという信念であった。一企業を地域が組織として支援する例は全国で他にない。

 広島の街を地域で支える精神の原点は樽募金にある。設立直後に経営難に陥ったカープを、市民が樽募金で支えて経営難を脱したという有名な話である。なけなしの財布から樽に募金したと言う人の話を聞くと泣ける。原爆直後、焼け野原の広島の街を復興したいと願う市民の熱い思いがカープ球団の存続を守り、広島の街に明かりを灯したとも言える。その熱い精神が現在の広島東洋カープへの異常とも思える市民の応援に引き継がれている。

 広島の地に移り住んで早、35年。最初は、井の中の蛙とも思えるこの田舎街の偏重的な考え方を蔑(さげす)み、違和感を感じていた。カープの帽子は許されてもドラゴンズの帽子を被ったわが息子をとがめた学校に抗議したことも。転勤族が日曜日に集り、日頃言えぬ広島の悪口をさんざんしたことも。しかし井の中にどっぷり入ると、私自身も徐々に蛙となり、その人情も捨てたものではないと思えるようになった。

 地方創生、脱・一極集中が霞ヶ関で叫ばれて、やれ交付金だの、ふるさと納税だのの施策がなされているが、これらは小手先のまやかし行政と思えてならない。真の地方創生とは、街を思う市民の熱い思いと組織が基本だなぁと、広島の街にいてつくずく思う今日この頃である。





軋轢(あつれき)





 どのような組織、団体、分野にも、昔から引き継がれし悪しき軋轢という風習がある。同じ組織、団体、分野にありながら、別々の村(集団、一派)を作り、互いに相手を非難したりの軋轢を展開する。建設関連においては昔から「建築」と「土木」の軋轢があり、横浜のマンション事件を見ていて、根本原因がそこにあるように思えてならない。
 
 次々に発覚する偽装の経過を見るにつれ、これは単に下請け会社の一個人の問題ではなく、もっと根が深い組織的なことが原因だと思う。なぜなら、下請け会社に偽装するメリットはなにもなく、基礎工事を発注した建設会社に非がなければ建設会社は悠然たる振る舞いをすればいいものをそうでもないからである。

 一般的にマンション建設工事は、地盤調査に始まり基礎工事、設計、建設、監理、販売という流れで行われる。マンション建設の中枢は設計・建設・監理にあり、これを担う建設会社が軸となる。同じ建設会社においても設計・建設・監理を担う「建築」と基礎工事や地盤調査を発注・監督する「土木」に分かれていて、昔から両者に軋轢がある。






マンション




 一級建築士の集団たる「建築」は地盤を扱う「土木」を見下げ、上から目線で指示する傾向にあり、「建築」が上で「土木」が下という上下関係が歴然とある。「建築」は常に顧客である販売会社の顔色を見て、工期などの要望に答えるために「土木」に無理難題を向ける。「土木」から上げられた地盤に関するデータに「建築」が詳細に目を通すことはなく、「土木」に意見を聞くでもなく独断で設計に走るのである。

 すなわち、マンション建設において最も基礎的で重要な地盤に関するデータがないがしろに扱われて淡々と設計・建築が進められているのが実情である。おまけに建築工事を監視すべき監理業務も同じゼネコンが行っているので、工事のチェックもままならない状況にある。建築基準法など建設に関わる法律やシステムの改正を国レベルで行うことが急務である。






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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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