「南極大陸」と「南極物語」


 TBS開局60周年記念の「南極大陸」が昨日、ついに終えた。日曜日の夜9時から、私は10週間、ほぼ毎週、見たことになる。誰もがラストのタロ・ジロとの再開に涙したことであろう。戦後の焼け野原から這い出したばかりの日本。戦勝国からの嫌がらせを受けながらも、自立した日本を世界に示そうとした社会情勢を描写しようとする意図が感じられた物語であった。

 思い出されるのは、昭和58年夏に公開された映画「南極物語」である。映画「南極物語」は当時、大入り満員の作品であった。何でも黒澤明監督の「影武者」の記録を塗り替える映画興行成績を記録したとか。1997年公開の宮崎駿監督のアニメ「もののけ姫」に抜かれるまで、その記録は破られなかったという。

 「南極大陸」と「南極物語」はともに南極観測を題材にし、戦後日本の復興、樺太犬との絆などのテーマが共通する。しかし、「南極大陸」は10週連続のドラマであるのに対して、「南極物語」は2時間足らずの映画である。そのことで描写の仕方が決定的に違う。映画「南極物語」では樺太犬との再開を無理やり泣かすラストシーンとして設定しているが、ドラマ「南極大陸」では個々の犬のストーリーを丁寧に組み立て、人と犬との感情移入の経過を観察し、戦後日本の復興を社会問題として少し掘り下げている。

 今回のドラマでは、主人公の木村拓哉は東大・理学部の地質学者として扮する。彼がこれまで演じてきたのは、総理、パイロット、レーサー、財閥専務、検察官などであり、数々の作品でその時代を切り開いてきた。テレビ視聴率低迷の今日、政治・景気の闇から抜けきれない昨今の日本において起死回生として期待された大作のドラマであったが、さてその結果は如何。

 ドラマにしろ映画にしろ、フィクションな部分があるのは否めないが、どうしても事実を知ってると違和感がある。例えば、樺太犬は、鎖につながれた状態で死んだいた7頭の他は、見つかったのは生きていたタロとジロだけであり、他の犬は死骸も見つかっていない。また、雪原で誰ひとりゴーグルを付けていないのは違和感があるが、これは仕方ないことかも知れない。

 私がドラマ「南極大陸」で最も興味を抱いたのは、木村拓哉が演ずる主人公と柴田恭兵が演じる第一次南極観測隊隊長の人間性である。ふたりとも東大・理学部地質学教室であり、私が前にいた会社の会長の同僚であることから、よくいろんな話を聞かされていた。同じ地質学に携わる者として、親近感を味わいながら見た。
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