落日を見たり





 まるで西部劇の悪保安官を髣髴させる立ち振る舞い。顔を真っ赤にして暴言を吐くさまは、凶暴なマントヒヒのボスのようでもある。彼が発する言葉は短絡的であり、感情的であり、いかほどの知慮も垣間見れない。そればかりか、国家にしろ個人にしろ、相手見境なしに名指しで挑発し、攻撃する。自分の主張に従わないものを誹謗中傷し、切り捨てる。その言動はあまりに稚拙であり、狂乱である。


 ある人は、彼の言動を計算づくのものだと評する。しかし、そうではない。なぜなら、そうすることで彼が得るのは選挙で得た狂った支持者を食い留めることしか過ぎないからである。もはや彼は単なる無知な狂乱者と言わざるを得ない。


 いろんな人種が坩堝するアメリカにおいて、ひとりやふたり彼のような時代錯誤の馬鹿者が出てきたとて不思議なことではない。問題は彼を大統領に選んだ国民にある。イギリス国民がEU離脱を選択したとき、イギリス国民の浅はかさに驚いた。しかしアメリカ大統領に彼が選択された瞬間、アメリカが潰えた。


 民主主義を掲げ、その樹立のための歴史的な血と汗を積み上げてきた過去は一体、何だったのか。もしアメリカ人に一粒の良識の魂が残されているなら、今こそ彼を糾弾し、降ろさせよ。その代償として、大混乱を招くのは必至であろう。それでも立ち上がるべきである。勇気をもって「NO」と言うべきである。弾劾でもなんでも良い。あらゆる手段を講じて、今こそ、自由と民主主義を奪還すべきである。



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信なくば立たず





 トランプ次期米大統領が立候補に名乗りをあげたとき、聴衆は異口同音に悪たれと馬鹿者呼ばわりした。大統領選終盤においては、あの愚か者の暴言者が大統領になるはずがないと高をくくった。そしてその愚か者がまさかの勝利を収めた瞬間、米国人ならずとも世界が凍え切った。発する言葉は、「なぜ」と「まさか」。同じ事をイギリスのEU離脱の折にも経験した。


 トランプ氏のビジネス選挙戦の勝利なのか、国民の愚かさなのか、その原因はわからない。しかし国民投票で決する限り「なぜ」と「まさか」が繰り返され、我々はこの不確実性社会における民主主義のあり方を問うことになる。


 そしてさらに深刻なことは、そのような愚か者をSNSの世界に放し飼いにしたとき、世界が翻弄させられ、混乱と悲劇を起こしかねないということだ。北米のモーターショーにおいては、トランプ氏のツイッターのつぶやきに呼応し、名高いメーカーのトップがこぞってメキシコ工場撤退を決定したり、アメリカへの投資を約束したり、雇用に貢献すると発表した。まだ大統領に就任してもいないトランプ氏の発言、それも正式会見ではなく、ただのつぶやきに、なぜ世界のトップはひざまづき迎合するのか。


 トランプ氏の言う自国第一主義では世界の経済も平和も守られる訳がない。そればかりか牽引国の暴挙がてぐすねを引いていた赤軍団の暴発の連鎖ともなりかねない。それがわかっていて、政治経済のトップはなぜ反発せず迎合するのか。世界の経済と平和を維持するには決死の覚悟と信が必要である。彼の言動が米国の悲劇、そして世界の悲劇の連鎖の始まりとならぬよう、世界のトップは信をもってあたるべきである。




女は度胸





 東京都知事選の立候補に関する一連のやりとりを見ていて思う。あの女性立候補者のスパッとした度胸の良さに比べて、男ども、どいつもこいつも意気地がないことよ。


 参議院選挙の結果の行方を睨んで先送りしたり、党則を盾にしたり、プライドやメンツに拘ったり、条件次第で立候補するとか、仕舞いには家族の承諾がないとか。まったくもって、男どもには要するに覚悟がないのだ。勿論、都議会との調整や党の推薦は勝敗を大きく左右し、当選後の都の運営にとって非常に重要なわけだが、それ以前の資質に問題があるのだ。男どもには都知事に立候補するという信念と覚悟が足りないのだ。


 そもそも金と政治の問題に端を発した都知事再選であるが、政治家だったら誰でも少なからず金に纏わる悪事に関わっていること、国民や都民は知っている。ただ、前知事はその悪事があまりにセコくて、しみったれていたから怒ったわけだ。1300万人のリーダーなるもの、慎重な正攻法、調整だけではとても収めることはできない。たまには大鉈を振る、大きな改革や決断をするなどの度胸がなくてはならない。立候補にあたって男どものあたふたする姿を見ていると、どうにもおぼつかなく頼りない。これではどの男が知事になっても、知事もその取り巻きも心配である。男は度胸、女は愛嬌の時代の終焉である。




理性と感情






 人間には理性と感情という対立軸があり、ときの状況や環境、相手によって理性が強く働いたり、感情が強く働いたりする。相手がいる場合、そのことによって喧嘩をしたり、分かち合ったりもする。その相手が友だちや夫婦であればまだマシなのだが、国家の行く末を左右する案件となれば、これはただ事では済まされない。


 そのただ事でない事態が発生してしまった。イギリスのEU離脱国民投票結果が世界を驚かせ、瞬く間に、経済不況の波が世界に拡散している。残留派のキャメロン首相が辞任を宣言する一方、EUには離脱を正式に通告せず、離脱交渉ができないまま混沌とした状況にある。


 そもそも、国民投票の選択そのものに問題があったのだと思う。EU離脱派による攻勢を受けて、キャメロン首相は「そこまで言うのだったら国民投票して決着しようじゃないか」と感情的に意気込んだ。まさか国民投票で負けるとは夢々思わない、高をくくった判断であった。キャメロン首相のこの感情的な判断が火種となり、国民全体が感情に走り、感情が理性を超えた結果を招いたと言える。


 イギリスのEU離脱が不適切な判断であり、残留が正解であるということを言っているのではない。問題は、国民投票後に離脱派の幹部が離脱条件の約束を反故にしたり、離脱に投じた人を中心に自身の投票行為を悔いたりして、国民全体が失望に陥っていることである。それほどに、この国民投票は中味を熟知した上での慎重な選択ではない、感情的なアクシデントであったことを物語る。


 さてそれでは、この場に及んでは回復する術(すべ)はないのだろうか。ひとつの方法として、キャメロン首相が辞任しないことだ。国民投票の結果とその後の世論風潮から、離脱しないと宣言するのである。もうひとつは、EUに離脱の通告をしないことである。EUの規約には相手国が離脱通告して初めて離脱協議が始まるとされている。この不備な規約を逆手にとって離脱通告しないことはありうる。最後に、首相改選して新しい首相のもとに離脱しないと宣言することである。


 感情という衝動と理性という根気。その狭間で人間はそのときどきで揺れ動く。感情という衝動はいかにも勇ましいが、根気ある理性もまた勇気あることである。キャメロン首相には勇気ある根気によって有終の美を収めてもらいたいものである。




茶番の上塗り






 もともと茶番であるものを、どう理屈付けようが、どうひっくり返そうが、所詮は茶番の上塗りに過ぎない。その茶番劇に、日本中が真剣な振りして取り組んでいる様子が滑稽でならない。一連の東京都知事の疑惑に関してである。しかしながら、ひとりの茶番によって世界の大都市機能が停滞していることを考えると、笑ってもいられない深刻な事態である。


 頭脳明晰なあの方の品性はいわずもがな、パジャマや回転寿司まで公費とくれば、もうこれは品性というより人間性の問題であり、かえって、大きな悪事はできない案外わかり易い人間かも知れぬ。ここまで苔にされてもなお執着するとは、敵ながらあっぱれである。往生際が悪いと罵倒されても居つくその根性たるや、並みの精神ではない。


 彼が繰り返した「第三者による公平な厳しい調査」は、はからずも茶番であることを立証するものになった。ヤメ検のふたりの弁護士による調査は明らかに「第三者による公平な厳しい調査」ではないからである。その理由は以下のとおり。


1. 被疑者の秘書を通じて選任されていること。被疑者と無関係に選任されなければ公平な第三者と言えない。第三者は第三者によって選任されなければならない。

2. ふたりとも同じ弁護士事務所所属の上司と部下であり、内通していること。

3. 第三者委員会というのは少なくとも3名以上の専門が異なるメンバーで構成されることが要件であり、その要件を満たしてないこと。

4. 被疑者および被疑者の秘書のヒアリングを基に調査結果を作成しており、それを裏づける関係者へのヒアリングが皆無であること。


 こんな調査結果は別に弁護士に頼まなくとも自身が吐けば済むこと。それとも第三者に頼まないと善悪も常識もわからないというのか。巷ではこの時期に辞めさせると厄介だとか言ってるが、そんな悠長なことを言っている暇はない。即時に退陣して大都市の機能を回復すべく国を挙げて超法的な策を講ずるべきである。




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団塊の世代を突っ走った田舎侍の遠吠えです。聞いてやってください。実話から世評までもろもろですが、一貫して、辛口です。

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